1104 【力のつり合いと合成・分解1】水中の物体に働く力(1) 水圧

水圧を感じよう!

次の図のようにビニール袋に手を入れて、中に水が入らないようにしながら水の入った水槽にビニール袋ごと手を入れてみましょう。ぴったりとビニール袋が手に張り付く感覚があると思います。手に水の圧力、つまり水圧がかかっているのです。

写真と動画でも見てみましょう。

水圧の向きと大きさ

 実験で、①水圧の向きはどうなっているか、②水圧の大きさと深さの関係はどうなっているか、この2つを調べてみましょう。具体的な実験はリンク先をどうぞ

水圧はあらゆる方向からはたらく

 実験から、水圧はあらゆる方向から働いていることが分かりました。このことはこのカップ麺からもわかります。

 これは、普通のカップめんの容器と、水深6500m程度の水圧で縮められたカップめんの容器です。大きさは違いますが、形はそのままですね。カップめんにかかった水圧がどの方向からも働いていたことがわかります。

深いほど水圧は大きくなる

 また、実験からは、深いところほど水圧が大きくなることが分かりました。
 これについても、こんな実験をしてみましょう。

 雨の時に傘を入れるのに使う、使い捨てのビニール傘袋があったら、それに水を入れてみましょう。袋の上まで水を入れたら、図2のように袋を立てて、袋の上の方、真ん中あたり、下の方と指でそっとつついてみましょう。下になるほど、手ごたえを感じるでしょう。また、画鋲などで穴をあけると、下の穴ほど、勢いよく水が飛び出てきます。水の深さが深くなるほど、水圧は大きくなるのです。もっと言うと、水圧の大きさは深さに比例します。

 地上の空気による圧力はほぼ1気圧ですが、これは深さ10mの水圧に相当します。10m深くなるごとに1気圧の割合での水圧が増えていきます。

宇宙に行くより難しい!?

 地上の気圧は1気圧。宇宙空間の気圧はほぼ0気圧なので、その差は約1気圧です。人間が宇宙空間で作業するときに着る宇宙服はその1気圧の差に耐えられるようにできています。

 ところが6500mの深海へ行くには、650気圧に耐えなければなりません。潜水服を着ても、水深約150メートル(15気圧)が潜れる限界と言われていますので、「しんかい6500」のような有人潜水調査船にでも乗らないと行くことはできません。

 圧力の点だけで考えると、6500mの深海へ潜ることは、宇宙に行くのに負けず劣らず難しい、と言えるかもしれませんね。

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