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1108 【力のつり合いと合成・分解2】水中の物体に働く力(2) 浮力

水圧はあらゆる向きに働き、その大きさは深さに比例します。

とするとですよ、水中にある物体に働く水圧はこんなふうに働きます。

ちなみに圧力の矢印の表記に注意。「力の矢印」とは違うぞ。

水中にある物体に働く水による圧力のうち、物体の側面の力は、お互いつり合って、打ち消し合います。
ところが、物体の上の面にはたらく下向きの力と物体の下の面にはたらく上向きの力はそうはいきません。
下向きの力よりも上向きの力の方が深いところにある分大きな力となるので、この合力は上向きの力となるのです。

この物体が水中で受ける上向きの力が浮力なのですが…

課題:浮力の大きさは、物体の何に関係するのだろうか。

物体の体積?物体を入れた深さ?物体の質量?

てなわけで実験です。おもりとばねばかり、ついでに台秤を使って、次のような実験をします。

①まず、おもりの重力の大きさを空気中でばねばかりを使ってはかります。

(結果) ばねばかりの目盛りは 0.82N をさしました。

台秤に水に入ったビーカーをおき、この状態で0g(⇒0Nに相当)と設定しておきます。

②そして、おもりを水に入ったビーカーに、大体おもりの半分のところが水面になるように沈めて、ばねばかりの大きさがどうなるかを調べます。 (ちなみにこのとき台秤は5gをさしていました。)

(結果)おもりA 0.76N 

③さらに、おもり全体が水中になんとかつかるまで沈めて、ばねばかりのめもりがどうなるかを調べます。

(結果)おもりA 0.71N

ちなみに 台秤は10gをさしていました。

④最後におもりを底まで沈めて、ばねばかりの大きさがどうなるかを調べます。(ちなみにこのとき台秤は10gをさしたままです。)

(結果)おもりA 0.71N   (台秤 10g ⇒0.10N )

三角フラスコに半分くらい水を入れたものでもやってみました。
①まず、おもりの重力の大きさを空気中でばねばかりを使ってはかると、

0.56Nでした。

ここで、台秤を0に設定。

②三角フラスコを水面の半分くらいつかるように入れて

ばねばかり0.28N  台秤 30g (⇒約 0.30N相当)

③三角フラスコ全体を水中につるしました。

ばねばかり 0.04N の 台秤53g です。

④底につく直前までおろすと

0.04Nの 53g(⇒約0.53N相当)

⑤三角フラスコをもう完全にビーカーの底までおろして、ばねばかりの糸を緩めるまでになると

ばねばかり0N 台秤58g(⇒約0.58N相当)

しつこいようですが、この三角フラスコに中の水を加えて満タンにしたところ、(写真が多いのでデータだけ)

① ばねばかり 0.68N
② ばねばかり 0.38N  台秤 30g
③ ばねばかり 0.14N  台秤 54g
④ ばねばかり 0.14N  台秤 54g
⑤ ばねばかり  0N   台秤 69g

考察
①②③とおもりが水中に沈むにつれて、ばねばかりの値は小さくなったが、③④とおもりが完全に水中につかったあとは、ばねばかりの値は一定の値のままだった。

③-①(④-①も等しい)は水面に水中につかるまで沈めたときの浮力になるが、その値は、大きいおもりAの方が、小さいおもりBよりも大きかった。

同じ三角フラスコに半分くらい水を入れたときと満タンに入れたときの結果を比べると、0.53Nと0.54Nですから、変わらないといっていいでしょう。つまり、水による浮力は質量が変わっても、体積が変わらなければ変わらないのです。

※こちらの実験ではビーカーの下にも秤をおいてあります。おもりを入れる前に比べて重くなった分が浮力になります。
が指導要領上、浮力については「触れる」扱いなのでここではあまり深入りしません。

結論:浮力の大きさは物体の水中にある部分の体積が大きいほど大きい。

あわせて、物体がすべて水中に沈んでいれば、深さには関係しないところもチェックしておきましょう。

そういえば以前も同じ実験してましたね。

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