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1570 某タブレット教材製作の話

この記事は旧ブログで2014年4月30日に更新されたものです。

昨年(2013年)の夏から、あるソフトウエアメーカー(仮にJ社とします)のタブレット型の家庭用教材のコンテンツを作っています。

その教材製作の体制ととしては、私の位置からは完全に把握していないのですが、資料から推測しますに、こんな感じです。J社は全体的な企画や営業面、そして教材のソフトウエア化を担当し、中身の教材製作は(ほかの教科はわかりませんがとりあえず理科は)図版データなどが豊富なA社に外注。A社では中学3年分の理科の内容を小単元ごとにさらに何社かの教材作りが得意な出版社に外注。そのうち1社がL社で、そのL社から私に執筆依頼があった、という見事なタテ社会で、私は一度もお会いしたことのないL社の担当の方とメールでやり取りするだけで、他の方とはお会いするどころか、どんな方が関わっているのかもわかりません。

ちなみに、私の書いた原稿はL社が編集し、さらにA社が統括して仕上げ、J社(あるいはまた別の外注先が)プログラミングするようです。

最初L社から依頼を受けた時は、よく依頼内容がわからない(というか発注者側できまっていない)状況での原稿作成でした。いわゆるIT業界でよく見かけると言われる、帰宅戦隊カエリタインジャー、あるいはデスマ戦隊シュラバリアンの「シヨウショホワイト」というやつなのでしょう。
「デスマ戦隊シュラバリアン」とは、往年の巨大掲示板のスレ「帰宅戦隊カエリタインジャー!@マ板」にて、当初、ノウキレッド、デスマブルー、デバッグイエロー、ザンギョウグリーン、エンバグピンクの5人で構成されていたのですが、そこに「シヨウショホワイト」とレスがついて高評価を得たという経緯があります。当時は、軍曹が語る(上巻下巻)など、プログラマの仕事の過酷さが話題になっていましたしね。

原稿を作るにあたっては、こんなふうに書いてほしいという「概要シート」が単元ごとに1枚ずつ送られてくるのですが、それを見ると、どうもちょっと違うんじゃないかな…という感じがしました。おそらくは、この指示出している人は理科の素人だな、と一発でわかるレベル。ただ、提案しようとするとL社→A社→J社と伝言ゲームになるし、さらに単元間のつながりを重視するような私の提案だと、A社の外注先にあるL社以外の会社にも影響が出る。

そもそもJ社からの作ってほしい原稿のパターンやコンセプトがコロコロ変わるし、(おそらく最初の方の原稿は、パターンやコンセプトの変更による修正を、下手したらJ社レベルでやっていたのかもしれません。だから概要シートの送付が遅れ気味になったと考えるとつじつまが合う)

とりあえずつくって「こんなのでいいんでしょうかねー」という感じで始まった仕事です。
で、あとでJ社からダメ出しが出るみたいですが、L社の方で対応してくださったようです。

やがて、最初の予定表から「概要シート」の送付に遅れが出はじめ、「概要シート」も以前よりさらに、ずれてるというかラフな部分が目立つようになります最後、12月に仕上がった原稿を送って、その後3月初めまでなしのつぶてでした。L社に問い合わせたところ、最後の「シート」が送られるのは4月になるという内容。その後、3月下旬に差し掛かった頃に、その仕事がなくなった、おそらくJ社とA社で作るのではないかというL社からのメール。

私には直接の被害はありませんでしたが、微妙に後味の悪い仕事でした。
もっとも、J社あたりではプロジェクトマネージメントに失敗し、特にプログラムを組む側はデスマーチになっていた、あるいはプロジェクト自体が崩壊して中止になったのかもしれませんが。

10年くらい前、J社から直の依頼で別の教育系ソフトの実践事例集を作っていたときは、結構面白い仕事になったことを思い出すと、さらに残念感がアップしました。

以前はそんなことなかったのですが、最近そういう残念な教材作りに関わることが多くなったような気がします。特にICT教材で。

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