1721 カイコとメンデル遺伝
メンデルさんはエンドウでメンデルの法則を見つけました。そういう経緯ですからメンデル遺伝はエンドウで説明されるのはよしとしましょう。
でも、エンドウ一辺倒ではさすがに面白みがありません。それでなんか授業で例として挙げられそうなメンデル遺伝をする事例はないかなと。
授業で扱うので、病気の事例は使えない。ABO式血液型は授業で紹介すると確かに盛り上がりはするのだけれど中学レベルのメンデル遺伝ではなく複対立遺伝子で発展的な内容になってしまう。メンデルの法則に当てはまらない遺伝ももちろんある。
そうしてみると、愚直にメンデル遺伝して、授業で紹介できる例というのは意外に少ない。
多摩動物公園でキングチーターがメンデル遺伝するという説明のパネルを読んで思考力を問う問題として作問したこともありました。確かにこれも面白い事例ですが、チーターのような哺乳類だと、いっぺんにたくさんの子供が生まれるわけではないので、普通のチーターとキングチーターが3:1になる、といういい方はできず、キングチーターが生まれる確率が4分の1というふうに比率ではなく確率論になってしまうところが、ぐぬぬ…なところです。
そこで今回注目するのがお蚕さん。メンデルの法則が動物においても成り立つことをお蚕さんを使った実験で明らかにしたのは、日本人の外山亀太郎。
詳しいことは
メンデルの法則・蚕で証明 外山亀太郎
川井 一之:科学者外山亀太郎とメンデル法則の再発見,農業技術,28(10),p.466-470,1973
子どもの蚕の研究所
あたりを見てほしいけど、繭の色や模様、卵の色などの形質がメンデル遺伝をするのだそうだ。
ついでにナショナルバイオリソースプロジェクト(NBRP)からカイコのページに行くとSilkwormBaseとかも見ておきたい。なんならカイコの入手までできてしまう。
それからマニアならカイコの実験単も読んでおきたい。
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