渋谷の科学館「はちらぼ」では夏休みの特別展として石展~いろんな石たち大集合をやっています。
だいたい夏休みの特別展のテーマとしては恐竜や昆虫なんかが定番な気がします。恐竜や昆虫はマニアックな知識をもつ小学生も少なくない人気ジャンルですもんね。それで恐竜展や昆虫展なんかの情報をよくみてみると、資料保存や教育普及を目指す公共性のある博物館(科学館)よりも民間のイベントスペースとかで「エンタメ」としてやっているもののほうが目立ちます。それは集客力も収益力もあるので当然といえば当然のことですが…。
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この、「博物館の企画展」と「民間イベント」の関係ってなんというか「学校」と「塾」の関係みたいですね。博物館だったら教育普及とか資料の保存、学校なら子供の全人的な成長とか、目的が広すぎるために総花的というか各論がボンヤリしてしまっているのに対し、観客数とかテストの点数とか合格者数のようなわかりやすい数値に評価がフォーカスしているのでわかりやすいという。その結果、選ばれる側の生き残りと、選ぶ側の思し召しでもあって、博物館がアミューズメント化(アミュージアム)したり、学校が校風だとかなんだかんだ言っても結局進学実績を重視する。わかるっちゃわかるし、決してそれを悪いとは言っているわけではありません。私だって学校でその流れに実際に乗っている一人ですし。だけど、その一方で「あの!これっていいんだっピよね?」と自分の中のタコピーが何もできないくせして純粋な目で執拗に問いかけてきます・ε・
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さて、そんな中で夏休みにあえての「石」という渋いテーマをもってきたのは、この規模の科学館らしい戦略じみたものも感じます。それほど石に詳しい小学生はいないでしょうから、そこまで珍しい石をたくさん用意する必要もありません。むしろ、子ども達に「石との出会い」「石の世界の面白さ」を提供するような展示であることの方が大切で、ヲタな学芸員だったら集客第一利益第一のエンタメイベントよりはむしろこういう企画展の方が楽しいんじゃないかな、という気がします。(もちろんある程度の集客などの成果は求められるでしょうが)
とギョーカイ目線はさておき、展示の方を楽しんでまいりましょう。
入ってすぐ目に入るのは大きなとけたアイスキャンディー。
よく見るとグリーンオニックスです。イラン産であの関ケ原石材の制作です。
私としてはグリーンオニックスというと東洋文庫ミュージアムにあるパキスタンのハイデラバード近郊で採掘されたやつが思い出されます。
玄武岩溶岩(アア溶岩) 三宅島雄山 ※アア=とげとげした
縄状溶岩(パホイホイ溶岩) ハワイ・キラウエア火山 ※パホイホイ=なめらかな
キンバーライト 南アフリカ キンバリー鉱山
マグマが地下100km以深から地表へ高速で一気に登ってできた岩石。途中でざくろ石かんらん岩やエクロジャイト(榴輝岩)などを取り込み、時にはダイヤモンドが見つかることも。
ピクライト玄武岩(枕状溶岩) キプロス・トルードス
緑色は橄欖石。
オニックス石灰岩 ボリビア
千枚岩 山梨県南巨摩郡早川町
スカルン 岩手県釜石鉱山
石灰岩にマグマが貫入して接触部付近にできる鉱物の集合体(接触変成岩)
【参考】礫スカルン 釜石鉱山 釜石市立鉄の歴史館
藍閃石片岩(青色片岩) 北海道上川郡美瑛町
塩基性の火山の石などが圧力を受けてできた変成岩。青いのは角閃石の仲間の藍閃石によるもの。海洋プレートの沈み込む場所に特徴的に見られる。
サヌカイト 香川県坂出市金山
火山岩。鉱物が細かくすき間がほとんどないため緻密で硬く、たたくと金属のような音がする(実際に叩けました)。香川県、大阪府、 奈良県などの一部の地域にみられる。
南極の石
ザクロ石片麻岩 リーセルラルセン山(ナピア岩体)
昭和基地の東方約600 kmに位置する太古代(約40~25億年前)の地質帯である、ナピア岩体に産する変成岩。1000℃を超える高温で焼かれた(超高温変成作用を受けた)岩
ザク口石一黒雲母片麻岩 ボツンヌーテン(リュツォ・ホルム岩体)
赤いざくろ岩(ガーネット)の結晶が含まれている、高温の変成岩。海洋底にたまった堆積岩が約5億年前の大陸どうしの衝突によって地下深部に押し込められた結果、800℃以上の高温になって生まれ変わった変成岩の一種。
石から生まれた絵具
子どもに「石との出会い」「石の世界の面白さ」を提供するだけでなく、私のような石マニアにもおすすめの展示でした。8月31日まで。




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