2046 標準 技術家庭 女子用1~3 教師用指導書 教育出版

 今度は昭和37年、すなわち昭和33年改訂の中学校学習指導要領が施行された年に発行された女子用の教師用指導書です。

 技術・家庭科はこの昭和37年度から始まった教科なのです。それまでは「職業・家庭科」でした。そのあたりの変更の紆余曲折についてはこの記事とかこの記事に断片的に書かれています。

 で、各学年とも冒頭の目次の次には「技術・家庭科の性格とその指導原理」という編者による文章が載っているんで                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                        すが、これがなかなか興味深い。

○従来の職業・家庭科が生産生活や家庭生活についての各種の経験が生徒個人の興味や関心をテストし、職業上の自己発見の機会となるという側面があり、そのような啓発的経験を与える教科はそれまでの「実業科」でもやっておらず画期的だったものの、同時に知識や技術(令和の今なら「技能」と言った方が分かりやすいかもしれない)を育成することも大事だという反省から、職業指導から一般教育へという流れがあること。
○科学技術教育の振興という点から、例えば理科のような一般教育で生産や技術の教材を拡張するだけでなく、生産的作業そのものによって、それに関連する知識や技術を習得させることも必要。一方で、農業・工業・商業・水産・家庭を全てまんべんなくでは広すぎる。そこで男子は生産技術、女子は生活技術にしぼって教育内容の再編成をしたのが、教育課程審議会の答申した「技術科」であり、それが名称だけ改められて今日の技術・家庭科となったのである。
○図工の工作と職家の工業的分野の重複を整理統合するのが出発点だったが、工業的な生産的技術を中核とした教科として発足したため農業、商業、水産はほとんどまたは全く姿を消してしまうことになる。
○教科の内容が男子向き、女子向きの2つの系列になっていること、従来の職家科は必修と選択の両方にまたがっていたが、一般教育のための教科である技術・家庭科は必修、職業予備教育の教科である「農業」「工業」「商業」「水産」「家庭」を選択教科としたこと、職家にあった職業指導が、教科の枠から外され、特活の「学級活動」に移され「進路指導」となったこと。

 前半の内容をざっと拾うとこんな感じですが(後半は具体的な学習内容についての話)、ここにあるような改訂の裏事情や具体的な運用上の変更点は、そのときに現場にいれば知りうるでしょうが、時代が過ぎてからさかのぼろうとするとこういう資料が非常に貴重で、理科でもそんな資料ないかな…と思うことしきり。
 理科でいえば、高校の物理で出てくるコンデンサーが中学校を飛び越えていきなり小学校に突然入ってきた事情とか、化学を「物質」ではなく「粒子」を柱とする領域とした事情とかね。

 で、章(中単元)ごとに目標、時間配当があり、小単元ごとに「学習の展開」として指導内容や留意点をまとめた表(指導案の「本時の展開」みたいなやつ)と内容に関連する解説資料という構成になっています。なお、完全モノクロで、カラーページはありません。

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