1433 生活の技術(昭和31-32年)

職業・家庭の教科書、お次は二葉株式会社の 新編 生活の技術 都市生活1~3です。

 昭和31-32年ということで、指導要領は昭和26年の試案に基づくものですが、「職業・家庭」という教科名でありながら、教科書の名称が「新版 生活の技術 都市生活」と「技術」という言葉が書かれています。
 これは次の(昭和33年告示の)学習指導要領では「職業・家庭」科の名称について、昭和32年の時点で文部省内で「生活技術科」または「技術科」という案があった(横山悦生:1958年の技術・家庭科の学習指導要領の普通教育としての性格:文部省職業教育課課内会議の資料にそくして,産業教育学研究,27(2),1997)ということから、おそらく関係者の間では「職業・家庭科はこんど生活技術科と名前が変わりそうだ」という情報が出回っており、それなら、ということで先んじて「生活」「技術」という言葉を選んだのではないかと思われます。
 実際には「技術」でいこうということになったのですが、最後の最後で大人の事情により「技術・家庭」となりました。これについては横山は、

この教材等調査研究会中学校職業・家庭科小委員会では、教科名については「技術科」のままで審議を終えたが、家庭科関係団体の強い要望により、7月31日の学習指導要領草案の中間発表の前日に「技術・家庭科」に変更されたのは今日よく知られているところである。

とだけ述べています。あえて詳細に触れてない気もしますが、ここらへんの詳細はwikipediaに載っていましたが、その後削除されています。なので、そこの部分はこちらの記事に載せておきました。

さて教科書。まず1年生用


口絵にはきれいな花が

駆除剤にDDTの文字が!そういやDDT乳剤とかBHC混和剤とか古い農薬が技術室から見つかって処分したことがありましたね…。

一方こちらは電報。Ⅲー16図 信紙頼 とありますが頼信紙の誤りですね。今教科書に誤字があったら大騒ぎ物ですが、この頃は許されたのでしょうか。

で、当時、この教科書を使っていた先生が熱心だったのでしょう。教科書に当時の頼信紙が挟まっていました。授業でみんなに見せたのでしょうか。右下に32年6月広文堂納とあります。納品した印刷屋さんと納品年月でしょうね。昭和32年ということは1957年。うわぁ

奥付と裏表紙

2年生

口絵は新しいショーウインドー。NATION、昭和製菓って、それぞれNATIONALと明治製菓のパクリですね。ロゴもNATIONALや明治製菓のそれとほとんど同じです。

こちらには納品書と請求書の用紙がはさんでありました。

奥付

3年生用 口絵はしょうゆ工場。

今回の挟み込みは、伊藤忠商事の定時株主総会の決算公告です。新聞の切り抜きのようです。

奥付

指導書が3年生用だけありました。

始めのところで教科の全体像がわかりそうですね。

奥付

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