授業における「課題」(『理科の教育』2016年1月号)
『理科の教育』の連載講座「中学校理科教師のためのチェックリスト」
前回は2015年の9月号。
前回の原稿を書いたときに、これまで毎年1月号は書いていたものだから、つい、「次は1月号で」みたいなことを言ってしまったので担当することになってしまいました。でも、言わなかったら11月号か12月号に書いてたりして…orz
2016年1月号のテーマは 授業における「課題」。特集が学力調査のことだったのもあり、この連載は特集とは直接連動していませんが、学力調査でもいろいろ「課題」が指摘されている、授業における課題をとりあげました。
今回の試みは、探究の過程を、なくなったダイヤを探すという探偵小説になぞらえ、課題の役割を示したところです。本当は密室殺人事件あたりだとわかりやすいのですが、ちょっとどぎついかなと思い、ダイヤを探す探偵小説にしました。
恒例、今月のチェックリスト。
□授業において、課題を示している。
□課題解決を意識しながら授業が展開されている。
□結果をもとに、課題に正対した考察を行っている。
【執筆メモ】
理科における課題解決と探偵ものにおける事件解決の対応
| 導入 | 事象 → 課題 |
| 展開① | 観察・実験(体験活動) |
| 展開② | 考察(言語活動) |
| まとめ | 結論 |
| 問題を見いだす | 事件発生 |
| 課題の設定 | 犯人は誰だ? |
| 仮説の設定 | 犯人はAさんではないか? |
| 観察・実験 | 捜査(例・目撃した人はいないか) |
| 観察実験の課題 | 凶器は何か、トリックは何か |
| 結果 | 証拠 |
| 反証実験 | アリバイ探し |
| 考察 | 探偵の推理 |
| 結論 | 犯人はAさんだ! |
課題解決の過程(構造的にみる)
観察・実験が複数組み合わせて課題を解決する場合
| 授業の課題 「密室殺人事件の犯人は誰か」 |
| 観察・実験 観察・実験① 課題「事件当時、密室にいたのは誰か」 結論「事件当時、密室にいたのは被害者と犯人だけである」 観察・実験② 課題「犯人はどのようして密室から脱出したか」 結論「犯人はこうやって脱出した」 観察・実験③ 課題「この方法で脱出が可能なのは誰か」 結論「この方法で脱出が可能なのはA氏だけである」 |
| 授業の結論 「密室殺人事件の犯人はA氏である」 |
・観察/実験の目的(課題)/結論をきちんと示しているか
・それが授業の課題・結論とごっちゃになっていないか。
例:「トリックを明らかために現場を捜査する」「アリバイを確認するために聞き取りをする」みたいな目的があり、複数の捜査を組み合わせて「犯人は誰か」という課題を解決していく。
ところが
・予想は本来課題の答えの予想であるが、現場では実験結果の予想が中心である。
・その捜査(実験操作)は事件解決に向かうのか
探究(の過程)とは何か
課題は解決していく問題である
疑問をもち、問題を見いだし(把握し)、課題を設定する。
結論を導くために授業で行うことも設定された課題で変わってくる。
要因→(妥当性の検討)→条件
・結果と考察…きちんとわけること
※事実と意見をはっきり分ける(本稿では不要?)
・「犯人は誰か」という課題(問い)なら、「犯人は○○だ!」とわかって初めて解決となるのであって、「この事件には裏に大きな組織が控えている!」では、たとえそれが事実であっても解決したことにならない。
・目標を達成できたかどうかを評価すると考えれば、目標と評価も正対すべきもの。
・同じものを何回も見ることで視点が変わる→観察者の成長
デジタル顕微鏡で広がる授業(『理科の教育』2016年4月号)
『理科の教育』の連載講座「中学校理科教師のためのチェックリスト」
前回は2016年の1月号でした。
この連載で実験器具をとりあげたものとして地学系や化学系(薬品管理とか)は多かったのですが、物理・生物系は乏しいです。それでも物理系はかろうじて電流計・電圧計・検流計があるのですが、生物系はまだありません。てことで顕微鏡は以前から扱いたかったのですが、メンテナンスなんかは自己流のところがあり、きちんと学んでから書きたいと思っていました。
が、今回はデジタル顕微鏡について取り上げました。メンテナンスの方法を解説するのではなく、これからの理科教育っぽい視点から、書いてみました。
恒例、今月のチェックリスト。
□デジタル顕微鏡を導入している。
□顕微鏡写真を撮影し、授業で活用している。
□顕微鏡のモニターを、班での話し合いに活用している。


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