0031 【生物の体の共通点と相違点 06】植物の体の共通点と相違点(6) コケ植物
花が咲かない植物として、前回はシダ植物について学習しましたが、他にもあります。
スギゴケやゼニゴケなどのコケ植物です。
コケ植物はどんな植物でしょうか、特にシダ植物とは何が違うのでしょうか。また、仲間はシダ植物同様、胞子でふえるのでしょうか。
課題:コケ植物はどのような植物か。また、どのようにして仲間をふやすのか。
これは、苔の仲間の一つ、スギゴケです。
Polytrichum juniperinum スギゴケ属
スギゴケのようなコケ植物は、雄株と雌株があり、雌株の上にのびて胞子のうがあります。
ゼニゴケ(Marchantia polymorpha L.)も雄株と雌株があり、雌株に胞子のうがあります。
(手持ちの画像がないので、将来撮影したらアップします)
種子でふえず、胞子でふえるのはシダ植物もコケ植物も同じです。それでは、シダ植物とコケ植物では、何が違うのでしょうか。
それはシダ植物は根・茎・葉の区別がありますが、コケ植物は、根・茎・葉の区別がないという点です。
もっとも、コケにも根っこみたいのはあります。しかし「根」は①体をささえる働き②水を体内に取り入れる働きの2つの働きがあるのですが、コケの「根」みたいなものは、体を地表に固定する働きだけで、水を取り入れる働きがないため、「根」ではありません。これは仮の根ということで、仮根(かこん)といいます。
また、コケの断面を見ても、維管束はみられません。根から水を取り入れないので、水を通す維管束は必要ないのです。ということは、体の中で水を運ぶ機能がないので、高さ10cmとか20cmとかになれません。そのため、コケはどうしても小さいままなのです。
ちなみに、根から水を取り入れないなら、コケはどうやって水を取り入れているのでしょうか。単純に、体表から水分を吸収しています。多くのコケ類の場合、葉では細胞が一層から数層程度までしかなく、多くの生物で体の表面を覆っているクチクラ層も発達していないため、容易に水を吸収できます。しかし、それは同時に乾燥しやすいという危険も伴う、諸刃の剣。だからコケ植物の多くは、乾燥することがほとんどない日当たりの悪い湿ったところで生活しているのですね。
結論:コケ植物は花が咲きませんが、根、茎、葉のない植物で、胞子でふえます。
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