凸レンズでできる像において
物体-凸レンズ間の距離 a (cm)
レンズ-スクリーン(像)間の距離 b (cm)
そして、焦点距離 f の間には
1/a + 1/b = 1/f
という関係があります。これをレンズの公式といいます。
これがまた便利な、というか面白い、と言ったらいいのか、奥が深いやつでして…凸レンズでできる像の実験の結果をまとめた後に扱うと、数学が得意な人ほど感動します。
この前の作図を例に考えてみましょう。焦点距離fは20目盛りなので、2cm(20mm)としましょう。
a>2f
この例では物体-凸レンズ間の距離 a は6cmになります。
レンズの公式に a=6 、 f=2 を代入すると、
1/a + 1/b = 1/f
1/6 + 1/b = 1/2
ここから b=3 と求められます。
作図でもレンズから3cmのところに像ができています。
2f>a>f
a=3 のときはというと
1/3 + 1/b = 1/2 ここから b=6 となりますが、実はこれ、さっきのa=6の例から、aとbをひっくり返しただけの話です。
もちろん、作図でもレンズから6cmのところに像ができています。
a=2f
a=b のとき、その長さは2fに等しくなりますね。

a=2f,b=2fとして1/a+1/bを計算してみると…
1/a+1/b
=1/2f+1/2f
=(1+1)/2f
=2/2f
=1/f おおっ!たしかに!
これら3つのケースをやっているうちに、数学の得意な生徒はこの公式のすごさにだんだんと気が付いてきます。
しかし、この公式の本当に恐ろしいのはここからです。
a<f
a<f のとき、スクリーンには像はできず、虚像ができるのでした。レンズの公式は使えるのでしょうか。
一応、この前の作図でやった a=1 で、計算してみましょう。
1/1+1/b=1/2
b=-2 となってしまいました。マイナスってなんだよおい…と思ったら!
作図でもレンズから右寄りに2cmのところに虚像ができています!
bがプラスのときはレンズから左にb cm のところに像ができていましたが、
bがマイナスのときはレンズから右に│b│ cm のところに像ができているのです。
これに気づいた生徒は、この公式の深さに感動します。
a=f
ラスボス。a=f のとき。
作図でもこの通り、像はできませんでした。
これをレンズの公式ではどう表現しているか?!
レンズの公式に a=f を代入してみます。
1/f + 1/b = 1/f
両辺から 1/f を引くと
1/b = 0
この式を満たすbはいくらでしょうか。
ためしに両辺にbをかけてみましょう。
b/b = 0b
1 = 0b
ゼロにbをかけると1になる、そんなbはいくつか。
んなもん、ゼロに何かけてもゼロだから…
ゼロだから…
だから…そんなbは存在しない。
こうなると数学の得意な生徒はシビれます。涙流します。
発展扱い
レンズの公式は平成元年改訂の学習指導要領では、
ア 光と音
(イ) 凸レンズの働きについての実験を行い、物体の位置と像の位置及び像の大きさの関係を見いだすこと。
の「内容の取扱い」の中で
と、いわゆる「歯止め規定」の対象になっていました。
ですが、現在は歯止め規定は原則削除となっており、「ハッテン的な学習内容」として授業で扱うことも可能です。とはいえ、ちょっと難しいからか、中学1年の教科書には載っていません。


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