前回の、光合成は葉緑体で行われることをオオカナダモを使って確かめた実験、実はあまりうまくいかないことが多い実験です。
私も何度かやってみましたが、まず、エタノールに入れて脱色しようとしてもあまり色が落ちません。エタノールはなんとなく緑色になるのですが、肝心の葉が少し薄くなったかな?という程度で、やはり緑色のままだったりします。そこにヨウ素液を入れても…という感じでした。
そんなわけで、この原因の考察や対策が研究されています。
簡単に成功する光合成実験 -オオカナダモを使ったヨウ素デンプン反応-
渡邊りな、 山下修一:オオカナダモによる光合成でのデンプン検出実験の改善.千葉大学教育学部研究紀要 第64巻 205~208頁(2016)
オオカナダモのヨウ素デンプン反応
「ほう、炭酸水素ナトリウムか。二酸化炭素源として使うんだなということでやって成功したのが前回の実験です。
ちなみにこの実験で、オオカナダモの葉を熱湯に入れて、さらに湯煎したエタノールに入れたのですが、そのとき葉から泡が結構長時間ブワーッと出ていました。まるでオオカナダモの葉がダンスをしているようです。面白いので撮影しておきました。
まあ、結局はきれいに脱色できませんでしたけど、
ヨウ素液に染まったからよいとしますか。せっかくなので前回とは別の写真。
炭酸水素ナトリウム入れてうまくいったのはもしかしたらアルカリで細胞膜を壊してヨウ素液が中に攻め入れられたからかな~とふと思ったりした。(※的外れかもしれないので信じないように)
ところで、これと別に、オオカナダモを炭酸水素ナトリウム水溶液に入れて、さらに日の当たるところにおいて2~3日放置したら、あらま大変。オオカナダモが白化してしまいました。それも若い部分だけ。古い部分は緑のままというのもちょっと妙な感じです。
失敗したと思って放置していたのですが、せっかくだからこれも見てみるかと。
脱色済みですから、そのまま顕微鏡観察。
そしてヨウ素液を垂らしてもう一度顕微鏡観察。
ところでこの段階でなぜか葉緑体が細胞の中でうごめいていました。原形質流動とはちょっと違うような。何だろう?
ここでふと思ったのは、意図的にオオカナダモの葉を白化させることができれば脱色の手間なく実験できるんじゃね?
あ、でも熱湯やエタノール処理しないとヨウ素液が入り込まないとダメか…。
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