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0620 【動物の体のつくりと働き11】生命を維持する働き11 血液の成分

 皆さんは健康診断などで採血をしたことがありますか。

 血液が固まらないように抗凝固剤という物が入っている採血管を使って採血したあと、遠心分離という処理をすると、血液が次のように分かれます。
看護roo!より
 例によってフリーで使えるため看護師さんむけのサイトから拾ってきたので、中学生向けとしてはやたら細かいですが,もちろん全部覚える必要はありません。(でも、マンガ『はたらく細胞』を読んだことのある人は登場していた物も多いですね。)

 血液の成分として、赤血球、白血球、血小板などがありますが、これら固体の成分は全体の45%程度です。残りは、血しょう(「血漿」と書く)と言う黄色い透明な液体です。

 これは、赤血球、血小板、白血球の顕微鏡写真です。ただし、色は画像処理でつけたもので、実際の色ではありません。
wikimedia commonsより

赤血球

 赤血球は、文字通り赤い色をしています。これは赤血球にヘモグロビンという色素が含まれているためです。そして、このヘモグロビンは酸素の多いところでは酸素と結びつき、酸素が少ないところで結びついた酸素を放出する,という性質があります。この性質を利用して、肺胞で取り入れた酸素を全身の細胞に配っているわけです

 ちなみに、貧血とは、赤血球が少なすぎることによって起こります。赤血球が少ないと、ヘモグロビンも少なくなります。すると、体の組織に十分な酸素が行き渡らないので、いろいろな症状としてあらわれるのです。

 上の図は、ヘモグロビンのうち、酸素と結合する「ヘム」という物質の一部です。中央をよく見てください。真ん中にあるのは…Fe,つまり鉄なんです。だから「貧血の予防には鉄分をとることが大切です」などといわれるのですね。

 病院で,この画像のように指に小さい機械を挟んで検査したことはないでしょうか。この機械はパルスオキシメーターというのですが、血液(動脈血)中を流れる赤血球(ヘモグロビン)のうち、何%が酸素と結びついているかを調べています。通常は96~99%が正常です。

 また、このヘモグロビンは、酸素以上に大好物なのが一酸化炭素。一度くっつくとなかなか離れてくれません。すると、大事な酸素を運べなくなってしまいます。だから一酸化炭素中毒は恐いのですね。

白血球

 白血球は,細菌等の異物がからだに侵入すると白血球の数を増やし、異物を細胞内に取り込んで分解します。細菌やウイルスが白血球にやっつけられると,膿(うみ)になって出てきます。

 この画像の中央にある、一個だけ紫色の核をもっている細胞が白血球(その中でも好中球)のです。それ以外は赤血球。
wikimedia commonsより

血小板

 血小板は、出血したときに血液を固め、出血を止めて血管を修復します。
 もう少し詳しく説明すると、血小板は血管の傷ついた場所にいち早く集まり互いにくっついて、その部分の血液を固まらせて応急的に止血します(一次止血)。その後、傷口に付着した血小板は、肝臓で作られる”凝固因子”の作用によって固められて、”血栓”、あるいは、”かさぶた”を形成します(二次止血)。

血しょう

 液体成分の血しょうは、二酸化炭素や栄養分、老廃物などを溶かして運びます。上の図でも血しょうの成分に脂質、糖質、タンパク質,つまり栄養分がありますよね。

組織液とリンパ液

からだの水分の約2/3が細胞の内部にありますが、残り約1/3が細胞の外にある体液となります。体液には、血液のほか、組織液、リンパ液などがあります。

組織液

 そして血しょう成分は液体ですので、赤血球などと違って、毛細血管の壁を通り抜けることができます。そうやってしみ出した血しょうが組織液として細胞の周りを満たして酸素や栄養分を毛細血管から各細胞に届け、また細胞から出された二酸化炭素や、アンモニアなどの不要な物質を組織液が毛細血管に入って血しょうに戻ります(名前の付け方の違いだけで物質として変化するわけではありませんが)。
朝日中学生ウイークリー2013年2月17日「ニュースとつながる理科のツボ」より

リンパ液

 組織液は毛細血管から栄養と酸素を細胞に運び、細胞の老廃物を血管やリンパ管に運びます。 組織液はリンパ管に入ると、リンパ[液]と呼ばれます。リンパ液はリンパ管からリンパ節を通りますが、最終的に静脈に戻されます。
 リンパ液は黄色みがかったほぼ透明な液体です。

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