0746 顕熱と潜熱
遺伝のところで顕性と潜性という言葉が教科書に載ったくらいだから顕熱と潜熱も出ていいんじゃね?
簡単に言うと顕熱は温度に反映される熱で、潜熱は温度にならない熱です。
水を加熱すると気を考えてみましょう。文字通り水に熱を加えたわけです。では、熱をもらった水はその熱をどのように使うのでしょうか。これには2通りの使い方があります。
一つは温度を上げるために使います。これが顕熱です。温度という形で顕アラわになる熱です。
そしてもう一つが、固体から液体、液体から気体、固体から気体のように状態変化のために使われる熱、潜熱です。この場合は氷が融けるときにずっと0℃をキープするように、沸騰しているときは100℃のままであるように、温度は変化しません。
水を加熱すると温度が上がります。この熱は顕熱。でも、沸騰して水蒸気になるときは熱を加えているのに温度は100℃のまま上がりません。このときの加えているはずなのに温度の上がらない熱が潜熱です。
潜熱は、固体から液体、液体から気体になるとき(もちろん固体から気体になるときも)の状態変化に必要な熱(エネルギー)のため、温度を上げるという使われ方をしないのです。温度に現れず潜んでいる熱ということです。
例えばアルコールを手に付けるとヒヤッとするのは、アルコールが蒸発する、つまり液体から気体に状態変化するわけですから、それにはアルコールに熱を加える(ただし潜熱なので温度は上がらない)必要があります。では、その熱をどこからもってくるかというと、手の体温です。つまり手から顕熱が奪われて手の温度が下がるため、ヒヤッと感じるのです。
ところで、日本気象協会では「わかりやすい気象現象と災害」という動画のシリーズを出しています。なかなか面白く、かつ分かりやすいのですが、その第1弾が「節子と台風」です。
その動画に
水蒸気=水+熱
さらにその式を変形して
水蒸気-熱=水
としていました。
まさにこの「熱」こそが潜熱であり、直感的にすごくわかりやすい説明だと思います。
水蒸気は水に比べて熱をもっているわけです。だから台風は熱帯で水蒸気をたくさんためて成長し、水蒸気を液体の水にすることで潜熱を放出させ、それをエネルギーとして動力などに使っているわけです。
しかし、このような式を使った熱の表し方を高校の化学の先生に見せたところ、苦虫を噛み潰したような顔をされることがままあります。なぜだろうなぜかしら(すっとぼけ)。
私は熱化学方程式は系としては完成しているし、それはそれで悪くないと思うけどな、ガラパゴスかもしれないけど。チキン(というか絡まれると面倒)なので白字で書いとく。
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