1327 春休み 1・2年生の復習のポイント

もうすぐ春休み。現在中学2年生の人は、来年は受験ですね。
中2の春休みは、1・2年の理科(社会もだけど)をしっかり復習しておくと、4月からかなり精神的に楽になります。

そこで春休みの1・2年生の復習のポイントをまとめておきましょう。

(1) 一度やったから1からやらない
春休みは短いです。あっという間です。なのに部活もあるし、春期講習もあるかもしれない。人によっては旅行も行くかも。
なので時間はあるようでない。いや、ないようで本当にない。だから効率を考えなくてはいけません。

にもかかわらず(in spite of)、1年生の教科書の1ページ目から見直すなんてこと、まさかしませんよね?
たぶんそれ、1年生の教科書の半分あたりまでで挫折して春休みが終わります。

授業で初めて学習するのではなく、既習事項、それも忘れているところもあるとはいえ、全体像をつかんだ後の復習ですので、おのずから初学者とはやり方が変わってくるのは当然です。

まず最初に把握したいのは、自分が今どこがわかっていて、どこがわかっていないか
とりあえず一問一答タイプや基礎レベルの問題をサッとやってみて、どの程度できるか把握しましょう。
理科の場合、「植物は得意だけど力が苦手」などの単元ごとの得意不得意があるので単元ごとに確認してみましょう。

・パーフェクト!
・ほぼほぼ覚えているレベル
・ある程度できるけどポツポツ抜けがあるレベル
・見たことあるような気がするけど何だったっけ…のレベル
・授業でやった記憶がなく、教科書で太字で書いてある用語ですら初めて見るというレベル

当時は正解した問題が、今やると忘れているということもよくあります。
で、自分の現状がわかったら、自分のできていないところを補うような復習をしていけばいいのです。

なので、自分がわかる・できるところと、わからない・できないところが一緒くたになっている教科書を1ページ目から見直すのは、単に効率が悪いだけでなく、肝心の「自分のわからない・できないところ」を見落としてしまう危険性すらあります。

ただし、「授業でやった記憶がなく、教科書で太字で書いてある用語ですら初めて見るというレベル」という初学者と同等の場合は、今回紹介するやり方よりも、教科書を基にして先生に教えてもらう初学者の学習の方が効率的かもしれません。ぜひ先生に相談してみてください。

しかし、ふつうは授業に出ていれば多少ぼーっとしていても、理科に苦手意識を持っていても、たいてい「あーなんかやったなーそんなこと」みたいな何らかの記憶の痕跡は残っているもので、何らかの事情でその単元の授業のときに出席していないというケースなどを別にすれば太字の用語ですら初めて見るというのは稀です。

(2) 問題が先、教科書(参考書)は後

問題を解くということは自分がわかっているかわかっていないかをチェックする有効な方法です。
なんとなくわかっていても、うまく答えられるとは限りません。
また、口頭では答えられても、いざ答案用紙に書くとなると、漢字のミス、そして無意識の間違いが起こることがあります。
ちなみに「無意識の間違い」とは、例えば自分では「直流」とわかっていてそう書いたと思っていたのに、実際には「直列」と書いていたなどという書いた本人が一番信じられないミスのことです。
なので、必ず解答は紙に書きましょう。

大体の流れは次の通りです。

1、とりあえず一問一答タイプや基礎レベルの問題をサッとやってみる。
2、答え合わせをする。ここでは、偶然正解だったところや自信のなかったものなど、確実に○がとれる自信のないものは×扱いにしておく。
3、×のところについて、教科書などで知識を補充する。問題で問われたところピンポイントではなく、その周辺の知識も確認しておこう。例えば「胚珠が何になるか」という問いに間違えた人は、「種子」という答えを書き写すだけではなく、花のつくりや受粉によって子房が果実になるところなども見ておく。
これには2つの意味があります。一つ目はできなかったところは関連するところもできない可能性が高いので、そこも叩いておくこと、二つ目は、周辺の知識も確認することで当該知識(ここでは「受粉すると胚珠は種子になる」という知識)をより強固なものにします。そして、今度同じ問題が出たら絶対に正解できるつもりで確認したいところです。
4. 問題集などで「標準問題」「練習問題」「演習問題」などと言われている中程度の難易度の問題を解いてみましょう。問題集でこのタイプのページは、その単元で「あるある」な問題が載っています。
5、2,3と同じ。ただし、このレベルの問題になると、知識に加えて、多少の思考も必要になる問題も出てきます。なので、解説をよく読んで「理解」することを心がけましょう。

※問題集などで「チャレンジ問題」「実践問題」などと示されている高校入試レベルの問題までは気にしなくてよいです。もちろん理科が得意で、さらに伸ばしたいというなら止めませんが、1・2年生の範囲で、基本的なところに漏れや抜けがないようにすることが春休みに復習する最大の目的なので、余裕がなければ無理しなくてよいでしょう。

(3) 2年→1年の順番でやる
 これは賛否の分かれるところですが、2年生の単元を先に復習します。2年の単元の方が最近やったので覚えていることが多いのでサクサク進みやすいです。

 そして1年生の単元の復習では、積極的に2年生の学習内容と絡めていきましょう。「身の回りの物質」ではまだ登場していませんでしたが、化学の便利なツールである化学式なども活用したり、2年生の動物の分類と1年生の植物の分類をまとめて比較するのもアリです。特に化学と生物は1年と2年の内容が絡み合っているので、例えば、「化学変化ですら質量が変化しないのに、化学変化ほど変化しない状態変化ではなおさら質量は変化するはずないよな」内容を見直してみると、なにか新しいものが見えてくることがあり、そしてそれに気づくことが学びへのモチベーションにつながります。
 2年生の単元を先に復習するリスクは、計画通り復習が進まないで春休みが終わってしまうと、忘れていることが多い1年生の範囲が残ってしまうという点。復習の進捗と春休みの残りの日数のバランスを考えた戦略が重要です。

(4) 物理は逆転可能!
 最低限の計算力(小学校の小数までふくめた四則演算と単位換算)があることが前提ですが、苦手だった人が大逆転することがあるのが物理です。物理が苦手というのは、難しいというイメージによって、あるいは一度何かでつまづいて、そこから苦手意識が生まれてシャッターを閉じてしまうというパターンが多いです。したがって、なんかのきっかけで別の時期にうっかりもう一度取り組んでみたとき、過去のつまづきをあっさりクリアして「なんで今までこんなことがわからなかったんだろう」と普通にできてしまうことがままあります。特に1年生の範囲は、当時できなくても、2年生の終わりにもう一度やってみると、あっさりできたという人もいて、なかなか侮れないのであきらめないでください。

それでは、新受験生の皆さん、実りある春休みを。

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