0815 理科教師のための作問入門(15) 分析・解釈

2024年3月23日

 「適用」が「知識の概念的な理解」として「知識・技能」へ移った今、「思考・判断・表現」に含まれる三つの視点のうち、最も歴史と伝統にあふれ、最も数も多く、そして最も作問がしやすい視点が「分析・解釈」といえます。
 ぶっちゃけ、昔は思考力を問う問題といえば、観察・実験の結果が示され、この結果からどのようなことがいえるかだとか、ある結論を導き出すにはどれとどれを比べればわかるかみたいなタイプの問題ばかりだったように思えます。これは分析・解釈の範疇です。
 構想の問題は出題すると、その先の実験が実際にできない(構想の問題を間違えたとき、その間違えた方法でやったら正しい結果が出ないわけですし)ため、出題がしにくいです。検討・改善に至っては、この視点自体が、平成24年に理科の全国学力調査とともに初登場なのでそれ以前は、そのような発想さえなかったのではないでしょうか。

 令和4年の全国学力調査では、構想2問、検討・改善4問に対して、分析・解釈は8問とダントツに多いところでした。
 その8問を見ると、分析・解釈するものとして、観察・実験の結果(記録)のみならず、水素を燃料として使うしくみの例を表した図や、おそらくは本かネットかで調べたような(骨格標本を観察したという可能性もありますが…)、カラス,ヒト,カエルの骨格、そして、実験をする前に、もし、予想と違った結果だったら、どこがうまくいってない可能性があるかを指摘する問題とひねってある問題もあります。

 このほか、観察・実験の結果ではなく、自然事象そのものに対し、「どうしてそうなるのだろう」のような課題をもとに、何らかの分析・解釈をすることも考えられそうです。が、案外難しそうな気もします。