PR

0823 理科教師のための作問入門(16) 検討・改善

 全国学力調査では「思考・判断・表現」を「構想」「分析・解釈」「検討・改善」と分けています。分類について無駄に学んでしまった身としては、これで「思考・判断・表現の問題」という被区分体が、もれなくダブりなく分類できるのか、とくに「検討・改善」が絡むところで、この問題は「構想」であり「検討・改善」でもある、というような交差区分が起きてないのか、正直モヤモヤが残らないわけはないのですが、かといって対案も出せるわけではないので、まずはこれを尊重していきたいと思います。
 「適用」亡き今、探究の過程のうち観察・実験より前の部分を「構想」、後の部分を「分析・解釈」とする案も考えたことがあるのですが、区分肢が2つだけだったらわざわざ分類する必要もないのかな、とも思ったりしているので…。なんというか、「検討・改善」は「構想」「分析・解釈」をラインに対するスタッフ的なものを感じるんですよね~。

 検討・改善というからには、最初に科学的な探究の方法や自分自身を含めた誰かの考えがあって、それをもとに検討したり改善したり、ときには評価したりツッコミを入れたり、つまり「これでいいの?」と聞かれてどう答えるかという話です。
 そして、私の経験上「検討・改善」を標榜している問題では、たたき台となった探究の方法や考えが、「検討したけど改善すべき点は特になかった」というオチになったためしはなく、何らかの改善の余地を抱えていたものばかりでした。

 したがって、作問する側としては、解答者がツッコミを入れられるようなボケを用意しなければなりません。そして、どうボケるかが意外に難しい。「ここツッコんで」とあからさまなボケではつまらない。一見いいように見えるんだけど、なんか違和感…どこかおかし…あれ、なんでやねん!という一連の流れを作りたい。
 つまり探究の方法でも誰かの考えでも、一見よさそうなんだけど、よく考えたら
①安全面を考慮してないとか、
②条件をそろえたものと比較しないと意味ないだろとか
③課題から考えると注目するのはそこじゃないだろとか、
④ここまでの文脈では出てきてないけど、これ忘れてねーかとか
もっともらしい見落としや間違いを用意しておきたいところです。

 そうでないと、単なる知識の正誤問題だったり、長文中にシレッと含まれる間違いを探す問題だったり、ストーリー中に登場人物がみえみえな間違いを示す茶番をスルーしても最初からテストを受けている生徒が普通に正解を答えても何も困らないような問題だったりするとちょっとなんだかなぁという感じがします。
 現実にはそういう出題も多いのですが。

コメント

タイトルとURLをコピーしました