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0215 学術用語の正しい読み方の確認法

あの頃はオンライン学術用語集がいた

 学術用語の正しい読み仮名を確認するのは、学術用語集を使えば一発。「V字谷」「百葉箱」「黄道」も正しい読みが確認できる。
 とはいえ、これが地味に面倒。というのも、一口に学術用語集といっても、「遺伝学編」「化学編」「海洋学編」「地学編」「地理学編」「原子力工学編」「採鉱ヤ金学編」「図書館情報学編」「論理学編」「キリスト教学編」など多様で、それゆえに同じ用語が複数の用語集に載っていますし、あまつさえ心理学編では「マン・マシンインターフェイス」だったのが、言語学編では「マン・マシンインタフェース」だったりしてきちんと調べつくすのって、なかなか大変なのだ。
 で、かつてはオンライン学術用語集という便利なサイトが国立情報学研究所から出ていた。これは大変便利なもので、読み仮名も登録されていたので、「V字谷」「百葉箱」「黄道」の読みの確認なんかは瞬殺できたのだ。

 しかし、このオンライン学術用語集、総務庁「科学技術に関する行政監察結果に基づく勧告(第一次)」の圧にも負けず、情報学研究所でサービスが継続されていたのも束の間、ソフトウェア不具合によるサービス停止(たしか、不正アクセスがらみじゃなかったかな?)を経て、2016年3月31日17時でサービスを終了し、J-GLOBALの「科学技術用語情報」の中に統合されてしまった。

 すると困ったことに、J-GLOBALの「科学技術用語情報」は読み仮名までカバーしてないんだよな。それでは気軽に正しい読みが確認できない。このために何度枕を濡らしたことか。くくくくく@笑っているのではありません

「うみかぜ」か「かいふう」か

 ということで、オンライン学術用語集亡き今、適切に用語の読み仮名を確認するにはどうすればいいのだろうか。具体的な事例をもとに見ていこう。

 「海風」「陸風」をどう読むか。「うみかぜ」「りくかぜ」と思っていたのですが、「かいふう」「りくふう」ではないのですか?という質問が。そういわれると自信がなくなってきた。ということで調べてみる。

まずは、やはりJ-GLOBALを使うしかない

まずは、J-GLOBALの「科学技術用語情報」で「海風」「陸風」を検索、検索ゥ!
 

ご覧の通り、読み方はどこにも書いてありません。
おや…そうか、海風はシーブリーズか…
安室奈美恵の「You’re my sunshine」のCMを思い出すなぁ(遠い目)

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それはさておき、注目する部分を赤枠で示した。
 

 そう、たくさんある学術用語集のどれに載っているのかが分かる。そっか、気象学編だと思っていたけど、地理学編にも載っているのか!
 と、J-GLOBALで学術用語集の何編に載っているのかを調べる。

次に、冊子版の学術用語集にあたる

 では、学術用語集の気象学編と地理学編にあたってみよう。
 図書館の分類でよく使われる日本十進分類表(NDC)上では、当然気象学編と地理学編は別のところである。学術用語集だけまとめて別置してある図書館とかないのかな、そうすれば便利なのに。と思ったけど、それはそれで各学問の関係者にとってはあまり意味のないことなのかな?今回のような使い方する人も少ないだろうし。

さて、学術用語集 気象学編(改訂版)

学術用語集ではなぜかローマ字で読み仮名をふっているんだけど、「うみかぜ」「かいふう」ともに確認できた。陸風も同様。

ということで、学術用語集の冊子で読み仮名が確認できます。
今回のケースでは、どっちでも正解ということでした。

これで終わりにしようかと思ったけど、せっかく図書館に来たので地理学編も見てみることにした。

そうしたら、こちらは「うみかぜ」「りくかぜ」だけだった。「かいふう」「りくふう」は載っていない。

 気象学編と地理学編で違っているのですね。それぞれの学会ごとに用語をまとめてきているのだから、そういうこともあるわけだ。

 ということで、結論。
 気象学上では「うみかぜ」「かいふう」どちらでもよいのだけど、地理学だと「うみかぜ」だけなので、学校では地理も学習する生徒のことを考えて、「うみかぜ」を使うことにしよう。そうしよう。

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