1053 月のもようをよく見てみよう

「月では、ウサギがお餅をついている」という話を聞いたことがありますか。
これは月の表面がでこぼこしているので、その模様がちょうどウサギがお餅をついているようにみえるので、そのように言われています。

この写真ではウサギさんは横(右側を上)にしてお餅をついています。わかりますか?

この模様は、世界各地でウサギ以外にもいろいろなものに見えています。本を読むおばあさん(北ヨーロッパ)、ワニ(アメリカ南部)、ライオン(アラビア)、大きなハサミのカニ(南ヨーロッパ)、女性の横顔(東ヨーロッパ)…などたくさんのものにたとえられています。ここらへんは、それぞれの国の文化も反映しているようです。

さて、月は、いつも地球に同じ面を向けているため、地球から見た月の模様は変化しません。ところが、いつ、どこで月を見るかにより、月の模様がどの向きで見えるかが変わってきます。

日本では、夕方から夜の早い時間にかけての月は、ウサギがお餅をついているように見えやすいです。ところが、夜明け前に見るとウサギが逆立ちしてしまいます。「お月見」は、ふつう夜の早い時間に見ますからウサギの餅つきに見えやすいのですね。もしこのとき、もようの向きが違っていたら、日本では月を見て「ウサギさんがお餅をついている」と言わなかったかもしれません。

ひと晩続けて見ると、下の図のように月が夜空を東から南、西と動く間に、月の模様は、いつもウサギが私たち地球のほうを向きながら半周回転するのです。そのため、地球から月を見ると夕方と夜明け前では、模様が逆さまになるのです。

月の見える時刻によって向きが変わるので、同じ地域でも月の模様を別な動物や人物などにたとえられることもあるのです。


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