前編からの続き。
召喚したのはこいつです。
銅の分析用試験紙。
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エムクァント分析用試験紙 銅 1.10003.0001 Merck 価格:8,804円 |
これがまた、注文してから届くのにやたら時間がかかったんだ。ネットで注文したら、一緒に注文した商品が欠品だったらしく連絡もせず放置され、いつもの学校出入りの業者に頼んで10日かかりました。。。
さて、箱の中身はこんなのが入っています。
そしてその中にはこんな試験紙が。
それを、10%硫酸銅水溶液をアルミ箔処理したもの、塩化銅水溶液をアルミ箔処理したもの、塩化銅水溶液とやってみたところ、
あれれ、全部200mg/L以上の値です。
一般社団法人日本銅センターによると、銅イオンが水道水に溶け込んで青く見えるには、100ppm以上溶け込んだ場合です。ということは、無色に見える処理済廃液は100ppmを切っているはずなんですが…。
そうだ。
色が確認できなくなった水溶液にアンモニア水を滴下し(錯イオンとし),色を確認できるのは,約0.01%までである。
越坂 直広「実験後の廃棄物の処理を通して環境への影響や環境保全の大切さを考えさせる教材の開発」北海道立教育研究所 附属理科教育センター研究紀要第18号 (2006)
と書いてあったな。
この錯体を作ってみましょう。10%硫酸銅水溶液(左)に濃アンモニア水を加えてみました(右)。テトラアンミン銅(Ⅱ)イオン[Cu(NH3)4]2+の濃い青色になります。
では、アルミニウム箔で無色になった銅廃液に濃アンモニア水を加えてみると、濃青色が確認できるでしょうか。
それがこの結果です。
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あ…アルミニウムイオンが反応して水酸化アルミニウムの白い沈殿ができてる…
Al3++3NH3+3H2O→Al(OH)3↓+3NH4+
そっちか~。ま、でも、そりゃそうなるわな。。。
ちなみに上澄み液原液(左)と、それを10倍に希釈したもの(右)をまた試験紙で計ってみた。
案外比色って難しいなと。10倍希釈の方は、画像上なら20mg/Lとよめなくもないけど、実物を見ると2mg/Lとも読めたりするので。
買ったばかりの試験紙の信ぴょう性を疑った方がいいのか、それとも論文の信ぴょう性を疑った方がいいのか。はたまた実はアルミニウムイオンが妨害物質だったとかいうオチか。
別の方法で銅イオンの濃度を調べられないでしょうかね。
あるいは逆に100ppmの銅イオン溶液を調整して色がどうなっているか見るか。
とりあえず、せっかく無色になったのにまだ下水に流せないんですが…。
コメント
某大附属中勤務のにしきと申します。
本校でも、銅を含む廃液をアルミホイルで処理して何とか出来ないか考えていました。
アルミホイルを突っ込んで無色になっても、まだそれなりの濃度であること、大変参考になりました。また情報交換などできるとありがたいです!
にしき さま
コメントありがとうございます。
下水に流せる程度の濃度まで下げられれば、廃液回収する必要がなくなるのですがね。
なかなかうまくいきません。
どうぞ今後ともよろしくお願いします。