1192 感熱紙で遊んでみよう
感熱紙は熱に反応すると色が出るように加工された印刷用紙です。ふつうの紙と違って、印刷するためにインクやトナーがいらないので、コンビニエンス・ストアのレシートや券売機の切符、電気やガスの検針票などによく使われています。
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用意するもの
感熱紙、アイロン(なければドライヤー)、アンモニア水(市販の10%を5倍希釈)、お酢、透明のプラスチックコップ、エタノール、保護めがね、セロハンテープ 綿棒 黄色の油性ペン 黄色の水性ペン
*感熱紙の種類によって実験結果に差が出ることがあるので、何種類か用意しておくとよいです。
写真では微妙に用意しているものが違っています…。
1.感熱紙の光沢のある面に、アイロンをかけてみましょう。
※アイロンは最低の温度で十分です。ドライヤーでもうまくいく場合がありますが、あらかじめ消しゴムでこすっておくと、よりはっきり出ます。
[結果]真っ黒になります。
コンビニのレシートでやってみました。
色の濃さの違いは感熱紙の種類の違いでしょうか。
2.裏にして、アイロンをかけてみましょう。
こちらは白いままです。
ということは、光沢のある面に、何かありそうです。
3.光沢のある面にセロハンテープを軽く貼って剥がしてみましょう。
セロハンテープに白い粉のようなものがついています。
ちなみに裏面では何もつきません。
4.白い感熱紙の光沢のある面を、爪でこすってみましょう。
爪の跡にそって黒くなります。ついでに爪もきれいになる感じもします。
5.綿棒にお酢をつけたものを、白い感熱紙の光沢のある面に塗ってみましょう。
6.すでに黒くなった感熱紙に、アンモニア水をつけた綿棒を塗ってみましょう。
(写真は「キンカン」の場合)
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※熱の他、酸性でも黒くなるということがわかります。アンモニア水で色が消えたのは、アルカリ性で中和されたからということですね。
7.コップにエタノール10~20mL入れ、そこに黒くなった感熱紙を入れます。
※あまり色がでなかったら、お酢を加えてみましょう。
8.これにアンモニア水を加えると、色が消えます。
※つまり、エタノールに感熱紙の色を変える成分がとけてしまったので、もとの紙はもう熱しても黒くなりません。
9.新しい感熱紙に黄色の油性ペンやマニキュア除光液で字を書いてみましょう。
※水性ペンだとうまくいきません。
感熱紙の発色の仕組み
感熱紙には、酸とふれると黒くなる性質を持つロイコ色素と、酸性の化合物である顕色剤が、紙の表面に塗ってあります。このときは、どちらも固体の別々の粒でいるので、両者はふれあわず、色が出ません。ところが、プリンターの感熱ヘッドなど熱いものが感熱紙にふれると、その部分のロイコ染料と顕色剤が熱でとけて反応し、黒くなります。
アルコールはこれらの成分を溶かすことができるので、アルコールに感熱紙を入れると、感熱紙に塗られたロイコ染料や顕色剤が溶け出して反応し、黒い液になります。
感熱紙の進化
ロイコ染料と顕色剤が反応してロイコ染料が黒くなるわけですが、この反応は、時間の経過や、アルコールなどの薬品の接触によりロイコ染料と顕色剤が離れて色が消えてしまうことがあります。また、消しゴムや粘着テープにふれると変色することがあります。これらの欠点を改善した高保存タイプの感熱紙も作られています。
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