大学の学部1年から3年までの話なのですが、細かいエピソードもなく、書いてて「つまらんオブつまらん」な気がしたのですが、でも、ほら、某損保会社の社長の「私の履歴書」が異様につまらないとか、桁外れにつまらない、とか言われているし、きっと手堅い人生だったんだよ!
関門科目の1年生
ということで化学科に入ったのですが、1年生には関門科目というのがあり、一般教養の数学、物理学、化学、英語2科目、そして専門の物理化学(一)、無機化学(一)、有機化学(一)の8科目を1年生の時にすべて(1つ落としてもよかったかも)取らないと2年生になれない、というシステムで、戦々恐々としていました。一般教養なら化学とか楽勝でしょ、とかもおもいきや、化学科だけのクラスなので思いっきり専門の内容をやっていました。
で、このほかに人文・社会の一般教養やドイツ語なんかもあり、隔週でしたが土曜日に1年次化学実験が控えているという結構、コマは埋まっていました。
なので、単位を落とさないように学生たちは必死でした。私は何とか無事に乗り越えましたが、2年生になった後に「え、あの人が?!」という人が何人も2回目の1年生をしていたので驚きでした。たぶん自分も紙一重だったんだろうなと…。
必死に英作文と有機化学の暗記に走ったかいがありました。
教職課程が始まる2年生
1年生が終わろうとするとき、学生たちの間で気になることと言えば、関門科目を通ったかということと、もう一つ教職課程を履修するかということがあります。2年生から教職課程が始まるのですが、履修しようかどうか。真面目に教職を考えている人や、全くそのつもりがないなら決断が簡単ですが、私のように特に考えていないけれども、教職課程があるならば一応とっとくか、という人がむしろ主流だったんじゃないかな。ただ、教職課程の科目は卒業単位にならないのがつらいところです。
ということで「教育原理」 「教育心理学および青年心理学」の他に、「原子物理学」「物理学実験」「生物学(二)」「生物学実験」「地学(一)」「地学実験」と化学以外の教科に関する科目をこの1年で一気に履修します。もう一科目「地学(二)」は専門の選択科目と重なっており、そちらを履修してしまったので、あとでピンチに陥ります。
「原子物理学」は1年の教養の「物理学」が易しめだった反動もあり無茶無茶難しく感じ(一説によると3年の物理学科の学生がヒーコラ言ってやるレベル)、単位が取れるかどうかみんなヒヤヒヤしていました。私はL-S結合表示で首の皮一枚助かったんだと思っています。L-S結合表示って何だったかもう忘れたけど。
「生物学実験」は6~7月ごろの土曜日の午後、5回ほど野田校舎で履修しました。午前中は神楽坂で授業があったので、授業が終わったら東武野田線に乗って2時からの実験に間に合うようにいきます。タケシマユリの解剖・スケッチや空気中の細菌を培養したり、カエルの解剖をしました。観察記録をみんな細かく書いているのに、自分の記述の量は少ないな、と思いながら提出したら「A○よくまとまっている」とお褒めをいただきました…。
「地学実験」に至っては、夏休みに野田へ3泊4日で地層を観察したり、気象観測の風船を飛ばしたり、夜に天体観測をしました。これはこれでいい体験ですが、一緒に撮っていた人が、普通に出席して普通に課題をこなしたのに単位が出ないという悲劇があり、教職課程を脱落してしまいました。今でこそ成績をつけた側の説明責任とか言われていますが、当時は単位を落とされた人が教務課に点数を再確認して、やっぱり不合格だと確認することだけしか許されておらず、極端な話、教員側のミスで単位が出ないという事態に見舞われても学生側にとる手立てがなかったのです。
というとそれなりにエンジョイしているようにも見えますが、中にはやっぱりつまらないもしくは理解できないあるいは眠たくなる授業もあり、出席を取らない科目はサボったり、試験前にはノートの融通もしました。
もちろん教職課程の他に、1年生で履修しきれなかった一般教養や2年生の語学や体育、そして専門科目もありますから、1年のときとはまた別の意味で大変です。実際私も必修の有機化学(三)を落としてしまい、翌年度再履修の憂き目にあってしまいました。人によってはさっそく教職課程をギブアップしてしまう人もちらほら出てきました。
一方、当時教員免許に関する法令が改正されて、一つ下の学年から教職課程で履修する科目が大量に増えました。選択でよかった「教育法規」が必修になったり、生物学実験や地学実験が1単位から2単位になるなどトータルで結構な単位数の増加で、自分たちの学年は卒業時に免許をもらえればセーフだけど、教員免許の単位が足りず、大学院含めて卒業後に足りない単位を履修しようとすると、一気にたくさんの科目を履修しなくてはならなくなるというスリリングな仕様です。なので免許を取るつもりが少しでもあるなら、卒業までに免許をとらないとめんどくさいことになります。
理科教育法の3年生
3年になると少し余裕が出てきます。ちゃんとやれば2年までで一般教養は終わっていますし、教職課程は「理科教育法」と「道徳教育の研究」だけになります。専門科目の必修も通年では「化学物理学(二)」と前期の「コロイド化学」「高分子化学」「物理化学実験」「有機化学実験」だけになります。その分、専門の選択科目をいろいろ履修できるようになります。ということで結構選択科目を履修しました。「有機化学(三)」の再履修もありましたが…。
理科教育法を履修した時の話については以前別の記事で書きましたが、物理学科を担当していた怖い先生の方は、のちに、ある先生がその怖い先生に私の原稿(たしかエタノールの蒸留だったか)を見せて「どうでしょう」ときいたところ、「ゴム管が長すぎる」という苦言をいただいたという話があります。また、化学科で理科教育法を教わった先生は当時は埼玉大学の中村次郎先生(故人)で、教員になって何年かしてすごい人に教わっていたんだなぁとしみじみおもいましたとさ。
物理学科の先生の方は、すでに故人ではありますが、「今だったらパワハラ認定される」とかいって怖いキャラにしてしまったので実名が出せません。でも、わかる人にはわかるかと。


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