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0028 【生物の体の共通点と相違点04】植物の体の共通点と相違点(4) 双子葉類と単子葉類

 前回は裸子植物の話でした話は被子植物に戻ります。
 「花のつくり」では被子植物をまず扱いますが、その次に①裸子植物をやってから双子葉類・単子葉類、さらに合弁花類・離弁花類と進むやり方と②双子葉類・単子葉類、さらに合弁花類・離弁花類まで被子植物を完成させてから裸子植物に進むやり方が考えられます。
 ①は、めしべのつくりが子房が胚珠の中にあることを学習したばかりなので、子房がない裸子植物の特徴がわかりやすいというメリットがありますが、被子植物を学んでから双子葉類・単子葉類という流れが切れてしまいます。②は被子植物→双子葉類・単子葉類の流れは切れませんが、その間は「子房」が登場しないので、裸子植物の時に被子植物との違いをみるときにスムーズでなさそうです。

 ①②どちらも一長一短ですが、本ブログ(と私の授業)では、被子植物でめしべに子房があるのを習った→でも胚珠があれば子房はいらなくないか?→子房がない裸子植物がある…という流れを大切にしたいので①を選びました。

 被子植物はアサガオやホウセンカ、イネやトウモロコシなどたくさんあります。これらをまた共通点・相違点から分類するとどうなるのでしょうか。

被子植物の分類

課題:被子植物はどのように分類できるのだろうか。

 さすがに実物は厳しいですから、アサガオやホウセンカ、イネやトウモロコシの「特徴カード」というものを作りました。
 「ホウセンカ」のカードにはホウセンカの、「トウモロコシ」のカードにはトウモロコシの花、葉(葉脈)、(赤い水を通した)茎の断面、子葉、根の写真が載っています。
 ※カードは授業用に作ったものですが、そこで使った写真は、私に著作権がない写真を使っています。授業で使う分には著作権法第35条でセーフですが、ブログの掲載は禁じられていますので、アップできません。こういうオリジナル画像もそろえなくちゃと思いました…。

 トウモロコシとかだとこんな写真ですね。あ、子葉。。。

 4枚の特徴カードを見ながら、これら4種類の植物を2つのグループに分けてみましょう。分けたときにはどこに注目して分けたかも記録しておきましょう。

どこに注目しても

 ある班で、4人は、別々の分類法で分けました。
 Aさんは、葉、それも葉脈の形で分けました。
 Bさんは、茎の断面、それも赤くなっている部分(水が通ったことろ)がどこにあるかで分けました。
 Cさんは、子葉の枚数で分けました。
 Dさんは、根の形で分けました。

 ところが、4人がお互いの分けた結果を見くらべてみると、ふしぎなことに、みんな同じ分類結果でした。アサガオとホウセンカで一つのグループ、イネやトウモロコシでもう一つのグループと分類されています。

 この、4つの違う視点で分類されたのに、すべて同じ分かれ方をしたという事実。
これはもう、グループが形成されていると判断し、子葉の枚数をもとに、アサガオやホウセンカの子葉2枚のグループを双子葉類、1枚のグループを単子葉類という名前をつけた。
 この段落は、「スフレ」で有名な三田信弘っぽく書いてみました。知らない人はスルーしてください。

 ここまでくると葉・茎・根・子葉、それぞれの特徴どうしも関係がありそうですね。
 特徴を整理すると、こうなります。

 葉・茎・根を比べてみると、いずれも双子葉植物は、中心になるものがあり、それを基準に、まわりができているような形です。一方、単子葉植物は、「ここが中心」となるものは見あたらず、みんな平等、という感じです。
 いうなれば、双子葉植物は組織だっているのですね。えらい人が一人いて、あとはみんなそれにしたがうような。
「中心に従おう」「そうしよう」ってやかましいわwww

結論:被子植物は葉脈や根の形などから双子葉類と単子葉類に分けられる。

 なお、「双子葉類」は分子系統学上、幾つかの系統に分けられます。詳しくは科博のサイトで。

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