0330 【地層の重なりと過去の様子7】 [補講] 流行(はやり)のあいつ と わがままなあいつ
テレビ番組が録画されている昔のVHSのビデオテープが出てきた。いつ頃のものだろうか。
中を見てみたが、何年何月何日と表示されているシーンはない。
でもその中に、一発屋芸人が持ちネタを披露して観客にうけていたらどうだろう。
テツandトモが「なんでだろ~」とやっていたら2003年、エド・はるみが「グ~!」とかやっていたら2008年)、スギちゃんが「ワイルドだろぉ」といっていたら2012年、日本エレキテル連合「ダメよ~ダメダメ」とかいってたら2014年と判別できる。俺たちオフピーク。
つまりその芸人の登場していた時期でわかるわけだ。
これがさんまやビートたけしではわからない。
なぜか。長い期間にわたってずっとテレビに出ていたから。
かといってマイナーな芸人ならだれでもいいというわけでもない。一発屋にもならなかったマイナーな芸人だったら、見ても誰だかわからない(哀)。そもそもその芸人がたまたま録画されたビデオに入っている確率が限りなくゼロに近い。
一発屋芸人は短い期間にあちこち出まくった。なので、たとえば2007年だったら小島よしおが「そんなの関係ねぇ~」といっているシーンが録画されている可能性が高いのだ。
そんな流行のあいつ。
実はこれ、いつごろかという時代の基準を示す示準化石の考え方なのです。
アンモナイトや三葉虫のような、一発屋芸人のように短い期間だけどその時代には広く存在した生物。その化石が見つかれば時代が特定できるのです。
もっともアンモナイトのすごいところは、短い期間にどんどんマイナーチェンジ(進化)しているので、一言でアンモナイトといっても実は1万種以上も細分化されているのです。そのどの種かが分かれば、より細かく年代が特定できます。
そういえばキューピー人形の顔かたちや材質などの違いから、その人形がいつごろ製造されたか研究している人がいるとか聞いたことがあります。
ちょうど録画したビデオに「笑っていいとも」が録画されていて、そこでのコーナー(テレホンショッキングではなくもっと短期間でコロコロ変わったもの)やタモリ以外の出演者から時期が特定できるようなものですね。
一方、化石が堆積したときの環境、すなわち様相とか相貌を示す、示相化石というと…
特定の環境でないと生きられない「わがまま」な化石 ですね。
逆に言えば、そのわがままな化石がいるということは、そこの環境は「わがまま」さんの厳しい基準をクリアした、ということ。
サンゴは暖かくて浅い海じゃないとヤダ!というわけですから、ある場所にサンゴがいれば、そこはサンゴのわがままを叶えてくれる暖かくて浅い海のはずだ、ということです。
川の水質の汚染度の調査で、見られた指標生物から水質の汚染度がわかるのと同じ考え方です。
流行(はやり)のあいつ と わがままなあいつ
示準化石と示相化石のイメージはこんな感じです。
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