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0416 【火山と地震09】地震の伝わり方と地球内部の働き(2) 地震計と地震の揺れ

阪神淡路大震災を引き起こした1995年1月17日の兵庫県南部地震。
この地震を例にして、気象庁の「阪神・淡路大震災から20年」特設サイトにある、各地の震度(観測値)の図に、兵庫県南部地震データ集から各地のP波の到着時刻を調べ(「各地域の地震波の到達時刻、気象庁発表のものから一部抜粋」とあるが、気象庁発表のデータは、膨大なデータ量を誇る現在の気象庁のサイトにはない?)、震源での地震発生時刻の10秒後、20秒後、30秒後…60秒後に揺れが発生した地点を結んでみたのが下の画像になります。(ただし、細かい部分は結構テキトーです)

この図から、いろいろなことが分かります。
①地震のゆれは、震央を中心に同心円で描くことができます。
②ただし、その円の半径は時間に比例しません。(「震源」からの距離ならほぼ比例します。でも、「震央」からの距離ですから)
③震央からの距離が遠くなれば、揺れはじめの時刻は遅くなります。
④震度も震源(震央)から近ければ大きくなりそうだ(傾向がある)といえます。

さて、地震の揺れは地震計で記録されます。
(※地震計と震度計は別物です。一緒くたにしないように注意!)

地震計で地震を記録するってところで、一つ素朴な疑問(ツッコミ)が。
地震計も地震と一緒に揺れるはずだから、地震のゆれが記録できないんじゃね?

もちろん、そこに抜かりはありません。どうやって地震計は揺れを記録できるのでしょう。
これは、教育用の簡易型地震計です。

秘密は、真ん中にある銀色の物体。何かというと…ただのおもりです。
でも、このおもりこそが、地震計の秘密、大地が揺れても動かない「不動点」なのです。
おもりが動かない?どういうこと?論より証拠、やってみましょう。

地震のゆれは速いので、おもりを支える糸が地震で動いても、おもりは動かないのです!

関西なまずの会 地震学の基礎知識「地震計」などを基に作成

ところで、一台の地震計では、一方向の揺れしか記録できません。でも実際の地震は3次元の立体的に揺れます。そこで、実用的な地震計は東西の揺れ、南北の揺れ、上下の揺れを測る3台で一組になっています。

これは、現役を引退しましたが、実際に観測用に使われていた地震計です。左側の記録用紙のところを見ると、東西、南北、上下の3方向の揺れが記録されています。

そして観測部も3組の地震計があります。銀色のおもりが目立ちますね…。

さて、この地震計で,地震のゆれはどう記録されるのでしょうか。「今から揺れ始めた!」とか見て分かるのでしょうか。それでは、地震計による地震の記録を見てみましょう。

これは、2007年7月16日10時13分ころ発生した、「平成19年(2007年)新潟県中越沖地震」のデータ(能登町宇出津・変位NS)です。横軸が時間の流れを、縦軸が南北方向の変位’(揺れ)を表します。

この波の形ですがここに注目してください。

赤い矢印のところからわずかに動きがあるのがわかります。そして、青い矢印のところで変位(揺れ)が急に大きくなります。これはどういうことでしょうか。

この動画を見てみましょう。

動画開始から2秒目ごろに少し揺れ始めて、11~12秒あたりから派手に揺れているのがわかりますか。私たちも地震がきたとき、最初に小さな揺れがあり「あれ、地震かな?」と思ってたら急に揺れが強くなり「やっぱり地震だ!」となりませんか。

あの地震の2段攻撃、最初にくる小さな動きを初期微動といい、ちょうど赤の矢印のところで始まっています。そして2段目の大きな動きを主要動といい、青の矢印のところで始まっています。

また、初期微動が始まってから主要動が始まるまでの時間を初期微動継続時間というのですが、「微」を「徴」にする、「継」を「経」にするなど、漢字の間違いが多いので気をつけましょう。

次回に続く。結論先延ばし…。

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