火成岩は、マグマが「冷えて固まった」ということですが、この冷えて固まる速さによって、大きく2つに分けられます。それが火山岩と深成岩です。
つまり3者の関係は、こういうことです。
火成岩=火山岩+深成岩
とくに火成岩と火山岩がごっちゃにならないように注意しましょう。
火山岩と深成岩の特徴は
火山岩-マグマが火山の表面近くで急激に冷えて固まる-斑状組織
深成岩-マグマが火山の奥近くでゆっくり冷えて固まる-等粒状組織
というところは、テストにはよく出るところですが、ここら辺は単純な暗記ではいけません。すぐにどっちがどっちだか、わからなくなってしまいます。また、塾や中学生向けの勉強サイトでは語呂合わせなどを教えているところもあるようですが、ここは火成岩の名称のように人が不規則に決めたため覚えるしかない、というところではなく、なぜそのように対応するのか、つまり火成岩のでき方の本質をきちんと理解することができるところなので、少々遠回りに見えてもきちんとつかませておきたいところです。
斑状組織は、大きな結晶と小さな結晶が混じっています。等粒状組織は、みんな大きい結晶の状態です。たくさんの子どもの中に大人がぽつぽつ混じっている幼稚園と、大人だけが集まっているふつうの会社みたいですね。
斑状組織の安山岩と等粒状組織の花崗岩
きちんと意味を理解しておきましょう。例えば深成岩だとこのように理解しましょう。
深成岩は深いところで成った岩である。
↓
深いところにあるのだから、周囲もまだ温かい。
↓
周囲が温かいのだからゆっくり冷えた。
↓
ゆっくり冷えたのだから、結晶が成長する時間が十分にある。
↓
結晶が成長する時間が十分にあるのだから、結晶はみんな大きくなった。
↓
人はそれを等粒状組織という。
ちょっと補足が必要なところが、
ゆっくり冷えたのだから、結晶が成長する時間が十分にある。
というところ。
このあたりは知識として補充しなければなりませんね。ゆっくり冷えると結晶が大きくなるということは、サリチル酸フェニルや塩化アンモニウムなどを使い、冷やす速度と結晶化の様子の関係を調べるモデル実験をやることもありますね。
私の場合、結晶化については、よく「この指止まれ」で説明することが多いです。火山岩のように急激に冷えると、周りのみんなが「この指」に止まる前に時間切れ(冷たくなって動けなくなってしまう)になってしまい、「この指」に集まった仲間が少なくなってしまう、というイメージを示します。
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