0419 地震計の波形は変位?加速度?
地震計の記録。教材として使いたいんだけど、データはどこにあるのでしょうか。
無料で落とせるところとして、こんなところにあります。
強震観測データ(気象庁)
強震観測網(K-NET,KiK-net)(防災科学技術研究所)
ここには即時公開データもある
港湾地域強震観測(国土交通省港湾局)
強震観測網(建築研究所)
あれ、「地震」ではなく「強震」ですね。文字通り強い地震です。
気象庁の強震観測とはに解説が載っています。
※ちなみに、「気象庁の強震観測の概要」にある「機械式1倍強震計(変位計)」はこちら
で、強震計は、ふつう、加速度を測定しています。
教科書に載っている地震計の仕組みで、おもりが不動点となるので揺れを記録できる、という説明をよく聞くので、てっきり変位を測っているのかと思っていましたが、それはもう時代遅れなのですね。
手元に東京書籍と教育出版の教科書があるので、1年生の地震のページにある地震の波形を調べてみると
東書の「新しい科学1」p.216 図2は、1995年1月17日の阪神淡路の大震災の彦根市のデータですが 南北方向の変位の波形が載っています。これに対し、教育出版の「自然の探究 中学理科1」の199ページにあるグラフに載っている波形は、2014年11月22日の長野県神域断層地震の加速度のデータがのっています。
それでは、1995年1月17日の阪神淡路の大震災の彦根市城町の南北方向の波形を見てみましょう。
同じ揺れを上から、加速度、速度、変位であらわしたものです。
ま、変位より加速度の方がそれっぽい形をしています。というか、変位だとしばらく0に戻ってこないときがありますよね。
一方で地震を学習する中学1年生では、加速度なんて概念はないから説明ができません。
中学理科で地震の波形を示すとき、加速度の波形を使うのか、それとも変位の波形を使うのか、どちらがいいのでしょう。
私は形がいいのでしれっと加速度の波形を使っていますが…どうせそんな細かいところ見る奴いないし…(「お前が見てたんだろう!」というツッコミがきそうw)
ここもおすすめ
地震計の話 火山活動解説資料(平成 14 年6月)
強震観測の手引(日本建築学会 強震観測小委員会)
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