前回は、いくつかの生物の細胞を観察しました。
細胞は、生物の最も基本的な構成単位といわれていますが、ちょっと顕微鏡でみただけでも10個や20個の細胞が見られます。
では、私たちヒトは、一体いくつぐらいの細胞でできているのでしょうか。
少し前までは、細胞の数は60億個といわれていました。これは体重1㎏につき1兆個とする、ざっくりとした計算です。
ところが、2013年に発表された論文
Bianconi E, Piovesan A, Facchin E, et al:An estimation of the number of cells in the human body, Annals of Human Biology 40 463-471, 2013
によれば、3.72×1013個、つまり37兆2000億と推定されています。
なお、この論文は英語ですが、その解説は、赤居正美:An Estimation of the Number of Cells in the Human Body:連載 古今東西見逃せない研究論文・書籍 第17回,Jpn J Rehabil Med 2019;56:577 に詳しいです。
37兆にしろ60兆にしろ、とてつもなく大きい数だということは間違いありません。とすると、一つひとつの細胞は小さいそうだと思いますよね。人の場合、大きな細胞として受精卵がありますがそれでも100μm程度です。
でも生物によっては、1個の細胞でも肉眼で余裕で見えるくらい大きなやつもあるんですよ。
鳥の卵です。
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