葉と根をつなぐ茎。茎はどのようなつくりと働きをしているのでしょうか。
課題 茎はどのようなつくりと働きをしているのだろうか。
ということで、いくつかの植物の茎を観察してみました。
それをまとめると、だいたいこんな感じ
双子葉類
単子葉類
道管 は 根で吸収した水や無機養分(肥料)などが通る管。
師管 は 葉でつくられた栄養分が通る管。なお、水に溶けないデンプンではなく、水に溶けやすい糖分が通っている。 ※専門書だと「篩管」と書かれていることもあります。
道管と師管をまとめて維管束(いかんそく)といいます。
双子葉類(裸子植物もですが)には師管と道管の境目に輪状になった形成層と呼ばれる細胞列の部分があります。ここでは細胞分裂を繰り返して太くなっていき年輪を形成します。この内側にある道管は死んだ細胞で作られていますが、外側にある師管は生きた細胞でできています。
どっちかが師管でもう片方が道管。どっちかが水を通す管で、どっちかが栄養を通す管。というのはわかりますがどっちがどっちかよく迷いがちなところです。
内側が水を通す道管です。
「うちの水道管」
しっかり覚えて、忘れては維管束。
「そうはいかんざき!」を思い出してしまいました…。
語呂合わせが覚えやすいとはいえ、テストで点数を取らせることが主目的ならともかく、本質的な理解や興味・関心を高めることを重視しているならば、内側が道管であることの植物にとってのメリット(必然性)もおさえておきたいところです。
外部から茎を傷つけられ、外側の管までダメージをうけ、管を通っている物質が漏れるとします。それが、葉でつくった栄養分ならば、多少こぼれてもまた作ればいい話です。ところが、外側に道管、つまり水が通っていると、せっかく根から吸収した水が漏れてしまいます。これは植物にとっては命にかかわる一大事ですね。大切な水を、大事に内側で流していたほうが安全なわけです。
ちなみに葉の断面をみると、葉脈のところは上が道管、下が師管になっています。これも単に暗記するのではなく、次の図のように葉が茎からぺらッとめくれるようなイメージで考えると、納得できます。
結論 茎には師管や道管などの維管束があり、道管では水などが、師管では葉でつくられた栄養分が通っている
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