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0634 【動物の体のつくりと働き18】刺激と反応6 刺激と反応の実験

刺激と反応の実験としては
反応時間に関する実験が2つ定番としてあります。

ルーラーキャッチの実験

①Aさんが30cn定規を持ちます。Bさんは物差しの最下部の所で手を広げて待ちます。
②Aさんが指を離し、落ち始めるのを見たBさんはすぐに定規をつかみます。
③Bさんがつかんだ位置の目盛り(=落下距離)を読みます。

ある程度やっていくと多少は早くつかむ(落下距離が短くなる)かもしれませんが、フライングなく、落ち始めたのを確認してからつかむ以上、たとえば移動距離が5cm未満、ということはありえません。信号を神経を通ったり、脳で判断する時間があるからです。
ただし、この実験は理科でやる前に、すでに数学でやっている可能性があるので要注意。どうやら、中学数学で統計をやるようになり、この実験結果をデータとして使うのが定番になっているようです。

刺激を受けてから反応するまでの時間が調べられる実験

①何人か(最低でも4~5人はほしい)が手をつなぎ、背中合わせで輪になる。このとき一人だけストップウォッチをもっている。
②ストップウォッチをもっている人はスイッチを入れると同時に隣の人の手を握る。
③握られた人は、反対側の人の手を握る、これを次々と続けていく
④一周してストップウォッチをもっている人が手を握られたら、スイッチを押す。
⑤その時間を人数で割れば、一人あたりの時間がわかる。

ちなみに末梢神経に信号が伝わる速さは60~100m/s。一人当たりの伝わる神経の長さを1.5mとして、1.5÷60=0.025秒
でも実際はその10倍以上の時間がかかります。

次に反射の例を見てみましょう。
反射というと、熱いやかんを触って手を引っ込めたという事例のインパクトが大きすぎて、命にかかわる緊急事態のみに適用される、みたいな誤解が生じやすいところです。そこまで緊急でないけれど、これを自動化できたら身を守れるよ、生きるのに都合がいいよという反射も多いです。

自分の体で実験してみましょう。

 鏡で瞳孔を見ながら顔を明るい方、暗い方に向けて、瞳孔の大きさの違いを比べてみましょう。すると、瞳孔は明るいところで小さく、暗いところで大きくなります。
看護roo!より

 瞳孔の「孔」は気孔の「孔」と同じ、「穴」の意味です。この「穴」をとって外からの光が目の中に入ります。その瞳孔の大きさを調節しているのが虹彩です。
 暗いと、光が少ないので、なるべく光をかき集めて見ようとするので瞳孔が大きくなり、明るいと光が入りすぎて紫外線で網膜が傷つくのを防ぐために光の量を減らそうとして瞳孔が小さくなります。これをうまい具合に虹彩で調節しているのですね。

ニャンコの目

  ところで、うちのニャンコのミミを見てくれ。 こいつをどう思う

 「すごく・・・かわいいです・・・」
 かわいいのはそうなんだけどさ、このままじゃ(瞳孔の)おさまりがつかないんだよな。
 これは暗いところで撮影したので、水色のきれいな目(虹彩)の中にある黒い部分(瞳孔)は丸くなっています。

 つぎにダッコして明るい照明の下に連れてったとき。目の黒い部分はどうなっているでしょうか。ちなみに、ダッコしながら写真を撮るのは苦労しました。

 瞳孔が、細長くなっていますね。形はともかく、明るいとたしかに瞳孔が小さくなるのです。細長くなるのは、開閉速度が速く微調整もしやすいというメリットがあり、夜行性の動物に多くみられる特徴です。

その他の実験

 また、膝蓋腱反射も有名な実験です
いすの座る位置を高くして、足をブラブラさせた状態で、ひざの「皿」の下の部分をたたくと足が跳ね上がります。

 その他、目の角膜にものが触れると目が閉じる角膜反射、鼻の粘膜をこよりなどでくすぐるとくしゃみが出るくしゃみ反射もあれば、赤ちゃんだけに起こる、吸引反射(唇をこすられると、乳汁を飲むような動きをする)や把握反射(手に触れたものをつかむように握る反射)もあります。
 さらに、先ほどの明るいところで瞳孔が収縮する対光反射や、見ているものが近づくとレンズが厚くなってピントを合わせる調節反射は、運動神経を通って骨格筋を動かしているのではなく、自律神経を通って平滑筋を動かしています。とはいえ、反射のところでやったこの図の「運動神経」が「自律神経」になる自律神経反射(内臓反射)です。

とはいえ中学理科では自律神経は登場しないため、対光反射などを中学理科の範疇で反射の例に挙げていいものかどうかというのは意見の分かれるところで、対光反射が載っている教科書とあえて載せていない教科書があるほどです。

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