0673 【気象観測03】気象要素3 気圧とは(前編)
圧力のことが分かったうえで、気圧に行ってみよう。
気圧とは空気の重力による圧力です。「空気の重力」ということは前提として空気には質量がある、ということです。
空気に質量があることをたしかめよう
使い終わった実験用気体のスプレー缶の質量を測ります。105.33gです。
空気入れでスプレー缶に空気を押し込み、
もう一度スプレー缶の質量を測ると、107.33g。入れた空気の分、質量が増えました。
やはり空気には質量があるのです。
1Lの空気は何gだろうか
水槽の中に水を満たした1Lのメスシリンダーを入れ、
スプレー缶からメスシリンダーに空気を入れます。
メスシリンダーの目盛りを見てちょうど1L出したところで、
もう一度スプレー缶の質量を測ると…
106.13g おやおや?質量が小さくなっていますね。
107.33g - 106.13g = 1.20g
この減った分は空気を抜いた分、つまり1Lの空気の質量となります。
空気1Lでだいたい1.2gになります。
では、8m×8m×2.5mの大きさの教室にはどれくらいの空気があるでしょうか。
1Lで1.2gなら1m3は1000Lだから1.2kg。
教室の体積が 8m×8m×2.5m=160m3 だから
空気の質量は1.2kg/m3 × 160m3 = 192kg
間地佳代。こんなにあるのか。
…と、参考までに計算もしてみましたが、ここでは、空気には質量があるというところがポイント。
質量があるから、重力が働き、大気による圧力が生じるのです。
大気の圧力ってどれくらい?
さっきの計算では、高さが2.5mでもあれだけありました。でも空気の層は地表から宇宙空間まで続いています。さすがに上の方は空気が薄いといっても教室の上には192kgよりももっともっとたくさんの空気がありそうです。
だとすると、空気の圧力ってのも結構な量あるのではないでしょうか。実際いくらくらいなのでしょうか。
これは、論より証拠、気圧計を見てみましょう。
針の指している先の目盛りを見ると1000ちょっとですね。
そして、この単位はパスカルではなく、hPa(ヘクトパスカル)。
前回計算したように、Pa単位だと桁が多くなりやすいので、100Pa=1hPaとなったヘクトパスカルを使います。
標準的な大気圧の大きさは、1013.25hPaですが、ざっくり1000hPaとして10万Pa。
この10万パスカルという圧力は、1cm×1cmの正方形の上に、どれくらいの質量の空気が乗っかっていることになるでしょうか。これも計算してみましょう。圧力の公式からまず力の大きさを求めます。
力は10Nとなりましたが、これは(ほぼ)1kgの物体にかかる重力の大きさです。1cm×1cmの正方形の上に、約1kg分の空気が乗っかっているということになります。
1cm×1cmの正方形の上に、約1kg分の重力がかかっているだけの圧力は、平成13年まで使っていたkg重/cm2という単位を使うと、約1kg重/cm2(1013.25hPaだと1033.6g重/cm2)と表されます。
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