北半球で低気圧に吹き込む風、高気圧から噴き出す風はまっすぐではなく、次のように斜めに吹き込んでいることを学習します。
このように傾いて風が吹いているのはコリオリの力が働いているわけですが、ここら辺が中学生には難しい。
ここら辺は各関係者みなさんわかっているので、わかりやすい動画も作られてはいるのですが、動画を見た直後はわかっても、数日するとまたわけわかんなくなります。
もっとざっくりでいいので、斜めの向きを含めてわかる方法はないのでしょうか。
コリオリの力の正体というか原因は、地球の自転です。北極側から地球を見ると、地球は反時計回りに自転をしています。
ここで、北極にピッチャー、日本にキャッチャーがいてボールを投げるとします。
ピッチャーが北極で日本にいるキャッチャーに向かってボールを投げますが、ボールがまっすぐ飛んでいる間に、日本にいるキャッチャーは反時計回りに動いてしまいます。そのため、ボールは日本に届かず、中国のほうへ飛んでしまいます。
これをキャッチャーから見ると、北極でピッチャーが確かに自分に向かって投げた球がカーブを描いて中国のほうへ飛んで行ってしまうのです。
そういう目でコリオリの力の動画を見てみるとなるほど感がよくわかります。
すると、「北から南へいくときは、西側にそれる」という事実がおさえられます。
せっかくなのでスチール用天気図記号を使ってみます。
あとは、逆に考えて南(日本)から北(北極)に投げると東側にそれるんだろうな、という推測ができるかと思います。
「南から北へいくときは、東側にそれる」
この矢印を低気圧・高気圧にあてはめてみましょう。
低気圧は地球の自転がなければ周囲から中心へまっすぐ風が吹きこみます。
ここで北から南へいく矢印↓は、西側にそれる(矢印の先を左側に傾ける)、南から北へいく矢印↑は、東側にそれる(矢印の先を右側に傾ける)。横の矢印もそれに合わせて傾けると、こうなります。
高気圧は地球の自転がなければ中心から周囲へまっすぐ風が吹き出します。
ここで北から南へいく矢印↓は、西側にそれる(矢印の先を左側に傾ける)、南から北へいく矢印↑は、東側にそれる(矢印の先を右側に傾ける)。横の矢印もそれに合わせて傾けると、こうなります。
確かに教科書通りになりました。
もう一度じっくりこの2つを眺めてみましょう。
どちらも同じ向きの矢印が位置だけ変えているのが分かると思います。
この矢印の傾きは、北半球である限り、低気圧でも高気圧でも、変わらないのです。
なお、これは北半球での話。南半球では傾きが逆になりますから要注意。たしか、気象予報士試験の過去問にありました。
※本当はこの矢印は低気圧や高気圧がどちらに移動しているかを示すものらしいのですがね。
ちなみに「高野低六」という覚え方をほかの理科の先生から教えていただきました。
高気圧の風は「の」の字、低気圧の風は「6」の字を描くというのです。
つまりこういうことです。
なるほど!
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