たまには塾っぽいテスト問題対策のようなテクニカルな話を。
記述問題についてはこのブログでもかなり前に話題にしました。採点する側も悩ましいところもあるのですが、一方で厳然として記述問題はテストに出てきます。そうである以上、テストを受ける側としては何らかの対策を立てないといけないわけですね。
記述問題攻略のためには、次の3つのことを念頭に置きましょう。
1.問われていることに答えよう。
かつて、大学の定期試験で答えがわからなかったので、おいしいカレーの作り方を書いたら単位が取れた、という都市伝説がありましたが、通常は問われていることに答えないと点数は入りません。それは当たり前ですね。
これに加えて、正解の記述が書いてあっても、その他に関係ないこと、余計なことを書くと減点されるリスクが高まります。特にその内容に誤りがあったり、もっと単純に誤字があったりすると、ほぼ間違いなく減点(場合によっては×)となります。
事例を見てみましょう。
問題:(オオカナダモのBTBを使った光合成の実験で)BTB溶液が黄色から青色になったのはなぜか。
ダメな解答:光合成によって、二酸化炭素が減って、酸素が発生したから。
この実験でBTB溶液の色の変化は、水に溶けると酸性になる二酸化炭素の量の変化によるもので、水にほとんど溶けず、溶けたとしても中性の酸素は、実際に発生しているものの、BTBの色の変化とは無関係です。なので、この問題で「酸素」はNGワードといっていいでしょう。
もちろん、足りなくてもいけません。「二酸化炭素を確認する方法を書きなさい」に対しての答えが「石灰水に通す」では不十分。「石灰水に通し、白くにごれば二酸化炭素」などどうなればいいのかまで書く必要があります。
2.キーワード(論点)を見極める。
選択問題ではなく、わざわざ記述をさせるということは、その問題を見て想起してほしいキーワードがあるはずです。それを正しく見極めましょう。
難関校の入試だと例外があるかもしれませんが、学校の定期試験レベルなら、そのキーワードをじっくり考えて思いついて正解できる、というケースはまれです。
たとえば「試験管内で炭酸水素ナトリウムを加熱するとき、試験管の口を底よりも下げて加熱するのはなぜか。」という問題があったとすると、正解を知識として知らないでその場で時間をかけて理由を推定しても、正解となる可能性はそれほど高くないはずです。記述形式だったとしても、しょせんは知識再生型の問題にすぎないのですから。
したがって、問題文を読んですぐに「これはあのことを書けばいいんだな」と分からなければ、その時点でもう正解の可能性は低いといえます。そうなったときは勉強不足を反省して、別の問題に時間をかけるのは一つの対応策です。
3.問題の条件と語尾に気を付けよう。
記述問題の中には字数制限とか指定された語句を使えとか、縛り(条件)をつけるものもあります。甚だめんどくさいような気がしますが、それは逆です。指定語句はずばりキーワード(の一部)ですし、字数制限は模範解答となる文のおおよその字数です。つまり、条件はヒントなのです。だから条件をうまく利用する、というみかたをもちましょう。
そして、問題文と対応した語尾にすることも忘れてはなりません。有名なのは、理由を説明するときの語尾は「ので、から、ため」のいずれかで着地する、というのがありますね。
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