スーパーの青果物売り場で糖度が表示してある果物や野菜を見かけることがあります。糖度とは、青果物やジャムなどの加工品に含まれる砂糖分の質量パーセント濃度を表したもので、単位はパーセントの代わりに「度」を使っています。果物だけでなくフルーツトマトやとうもろこし、ほうれん草など、糖度の高い野菜もたくさん開発されています。
果物の糖度の目安(一例)(東京中央卸売市場調べ)
果物 糖度(度)
ブドウ 17
メロン 14
スイカ 11
リンゴ 13~15
イチゴ 12~13
フルーツトマト 8~12
ただし、農産物の世界では、Brix値という値が使われます。これは20℃の1%ショ糖水溶液のと同じ糖度屈折計の値を示す溶液のBrix値が1°Bx、つまり糖度1度とされています。果汁がショ糖水溶液、つまりショ糖以外にとけているものがないなら糖度=質量パーセント濃度となりますが、実際にはショ糖以外の糖やその他の溶質も屈折率を変化させているため、糖度1度=1%ショ糖水溶液とは必ずしもなりません。
で、アヲハタのジャムのカタログを眺めて、あ、そっか、とあらためて思ったのが、ジャムの糖度。
アヲハタのサイトでも商品紹介がされていますが、糖度が40度台とか、50度ちょっとで「低糖度」とされているのですね。よく考えてみてください。糖度50度というのは。糖分の質量パーセントが50%。つまりジャムが100gあれば50gまでが糖分、ということになります。これで「低糖度」なのですよ。
日本ジャム工業組合によると、糖度40度以上55度未満が低糖度、糖度55度以上65度未満が中糖度、糖度65度以上が高糖度と分類されるそうです。糖度65度ってことは、約3分の2ってことですね。300gのジャムがあれば、水分は100gだけで、残り200gが糖分。溶解度が平気で200とか軽く行く砂糖(ショ糖)だからできる話ですね。
と思っていたら、さらに糖度の上回る事例が。それは…ハチミツ。濃度の計算問題で、ちまちま濃度5%とか10%とか言っている世界からみると、もはや理解の範疇を超えていますが、ハチミツの糖度の話で78度とか80度とか84度とかって…。ミツバチが花の蜜を集めて、それを水を蒸発させて濃縮したものではあるが、もはや水溶液をイメージしてはいけない気がする。むしろ水が溶質で、砂糖が溶媒にさえみえてしまいますね。
コメント