ということで、純系の丸い種子をもつエンドウと、純系のしわの種子になるエンドウは、もれなく丸くなるという説明がつきました。ただし、遺伝子が純系のAAではなく、雑種第一代(F1と略します)ということでAaと、親とは違っています。これが何を意味するのでしょうか。
雑種第2代はどうなるか
それでは、丸い種子としわの種子を両親にもつのに、丸い種子となっているエンドウ同士を掛け合わせて、「雑種第2代(F2と略します)」を作ります。それはどのような形質になるのでしょうか。
雑種第1代では両親とも対の遺伝子がAaです。ということは、両親それぞれで生殖細胞には丸い種子のAとしわの種子のaの2つのパターンがあるわけです。すると、
①卵細胞からはA、精細胞からはA で AA
②卵細胞からはA、精細胞からはa で Aa
③卵細胞からはa、精細胞からはA で aA(Aaでもよい)
④卵細胞からはa、精細胞からはa で aa
の4パターンもあるわけです。うわめんどくさ!
すると①は当然丸い種子ができます。②③も顕性の法則から、顕性である丸い種子の形質が現れます。ところが④はしわの種子ができますね。①②③④の確率、もっと言うとできた種子の数は理屈の上では等しいので丸い種子としわの種子が3:1の比でできる、ということになります。
そういえば、メンデルの実験では、丸形5474個、しわ型1850個なのでその比は2.96:1でほぼ3:1でしたね。外山亀太郎さんのお蚕さんの繭も黄色89個に対し白29個、3.07:1で、3:1といっていいでしょう。
もちろん統計上なので正確に3:1になるとは限りません。400個の種子のうち、いつもぴったり300個が丸い種子で100個がしわの種子になるわけではなく298個と102個かもしませんし、305個と95個かもしれません。ぴったり3:1じゃないからといって喚かないように!さすがに200個ずつだったらおかしいけど。
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