1166 過マンガン酸カリウム

過マンガン酸カリウム KMnO4=158.04 CAS.No7722-64-7

高校化学なら酸化還元などで大活躍している物質の一つでしょうが、現在の中学理科では全く登場しません。

我が理科準備室には2本あるのですが、「何かで使う機会あるかな~あるかな~」と思っていても全く使わない。故に減らない!
いかにも古そうな薬品瓶にもかからわず、使い切る気配が全くない。たぶん私がこの職場に定年までいたとしても、この瓶が空になることはないんじゃないでしょうか。

とはいえ危険物第1類ということで、必要のないのにあんまり持っていたくありません。
ということで、廃液処理のときに一緒に業者さんにもっていってもらうことにしました。

その前に、物質を観察したうえで、少し実験をしたいと思います。

深紫色の結晶です。美しい感じがします。

過マンガン酸カリウム(結晶)を水に溶かしてみましょう。

水溶液は濃いと紫色です。

もっと薄めるともっと薄い色になります。

水溶液を硫酸酸性にして過酸化水素を加えてみます。

これぞ高校化学でおなじみの酸化還元反応ですね。
2KMnO4 + 5H2O2 + 3H2SO4 → K2SO4 + 2MnSO+ 5O2 +8H2O

一方、安易に過マンガン酸カリウムの結晶と濃硫酸を混合してはいけません。
七酸化二マンガンMn2O7という物質ができるのですが、
2KMnO4 + 2H2SO4 → Mn2O7 + H2O + 2KHSO4
この七酸化二マンガンって物質が、不安定で爆発する危なっかしいやつで事故も幾度となく起きているので、やりませんでした。

(事故事例1)国立大学の学生A君は、研究室の清掃中、実験器具の洗浄液をつくろうとして過マンガン酸カリウムの固体に直接濃硫酸を混合してしまい、それによって起こった爆発で両眼を失明。
事故事例2)文化祭の一般参加日に,同校卒業生が来校参加し,化学実験室で高校時代に実験したことのある発煙実験を思い出して試みようとした際,爆発を生じた。この爆発で実験実施者の後から実験を覗き込むようにして見ていた8才の少年が,左目に薬品が入り,負傷した(角膜裂傷,白内症,網膜出血)。

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