紙は繊維でできています。繊維は木質部や木の皮、草、野菜・果物の中にも含まれていますが、紙はふつう、木質部からとり出した繊維を使っています。繊維は木や草の種類によって長さや巾などに大きな違いがあり、繊維が違うと紙の性質もまた大きく違ってきます。
コピー用紙や紙袋、和紙などいろいろな紙を破ってその切れ目を虫眼鏡を使ってよく観察してみましょう。糸のようなものが見えますね。これが繊維です。
紙を引き裂いても繊維自身はあまり切れないので、切ったところは繊維が残り、けばだつのです。いろいろな紙の切り口を比較してみると、紙の種類によって繊維の長さが違うことがわかります。
コピー用紙(広葉樹)
上の写真はコピー用紙を切ったものです。短い繊維が多く含まれています。これはブナなどの広葉樹の繊維を多く使っています。広葉樹の繊維は短いため、破断面の毛羽だちも少なく、きめの細かい紙になります。このため表面のつるつるしたコピー用紙のほか、ノートや書籍用紙、便せんなどに使われています。
紙袋(針葉樹)
これは紙袋を破ったところの写真です。コピー用紙に比べて繊維が長いですね。マツやスギなどの針葉樹が主に使われているのです。この繊維では破れたところの毛羽だちが多いかわりに、強度のある紙になります。だから紙の強度の必要な手提げ袋、封筒、牛乳パック、包装紙、ティッシュペーパー、ペーパータオル、新聞紙などに使われるのです。
和紙
和紙はさらに長い繊維からできています。「コウゾ」「ミツマタ」「ガンピ」という種類の木が多く使われています。
このように、何の木を使っているかによって紙の性質は大きく変わってくるのです。
(朝日小学生新聞「もっとわくわく理科タイム」2006.2.1付)
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