定期テスト用に「チバニアン」について作問・出題しました。
2020年の1月、今から約77万4千年前~12万9千年前の時代に、「チバニアン」という名称をつけることが決定されました。この名前は千葉県市川市にある約77万年前の地層にちなんだものです。同地層は、約77万年前を境に、その前後で地球の磁場の向きが変化したことがはっきり読み取ることができるので、地球の歴史を調べるうえで重要な地層として注目されています。
(1) 「チバニアン」の時代にいたと考えられる生物は次のうちではどれか。
ア アンモナイト イ サンヨウチュウ ウ キョウリュウ エ マンモス
(2) この地層は次の写真のように、下から「現在と逆の向きの地磁気の層」「地磁気が弱い層」「現在と同じ向きの地磁気の層」となっており、「現在と逆の向きの地磁気の層」の一部に白尾層(びゃくびそう)という77万年前と時代が特定できる地層があります。
①白尾層は何の地層と考えられますか。
ア 泥 イ 火山灰 ウ 砂 エ 生物の死骸
②この地層から読み取れることを次のア~エの中から一つ選びなさい。
ア 白尾層が堆積した後に地磁気が現在と逆の向きから同じ向きに変わった。
イ 白尾層が堆積した後に地磁気が現在と同じ向きから逆の向きに変わった。
ウ 地磁気が現在と逆の向きから同じ向きに変わった後に白尾層が堆積した。
エ 地磁気が現在と同じ向きから逆の向きに変わった後に白尾層が堆積した。
(3) 次の図は、この地層のあるところの模式図です。
川の両側にがけがあり、そのうち片側のがけで地層を見ることができます。このような地形がどのようにしてできたのか、説明した次の①~③の文中にある(あ)(い)にあてはまる言葉をそれぞれ書きなさい。
①海底で堆積した。
②その後、土地が( あ )して、陸地になった。
③川により土地が( い )されて、このような形になり、地層が現れた。
解答と解説
<解答>
(1) エ
(2) ①イ ②ア
(3) あ 隆起 い 侵食
<解説>
(1)約77万4千年前~12万9千年前 は、新生代第四紀。マンモスの時代である。ちなみにサンヨウチュウウは古生代、キョウリュウとアンモナイトは中生代。
(2)①火山灰は、どの火山のいつの噴火か特定ができ、「鍵層」としても使われる。
②白尾層は「現在と逆の向きの地磁気の層」の一部にあり、その上に「地磁気が弱い層」「現在と同じ向きの地磁気の層」と重なっている。下の方が古い地層なので、白尾層の堆積(火山の噴火)がおこってから地磁気が弱くなり、さらに現在と同じ向きに変わったと考えられる。
(3)①海底から地上に出たのだから隆起である。
②川によって地層が削られたので侵食である。
チバニアンの話題ですが、中1の学習内容だと試験問題に「地磁気の逆転」の何がすごいのかまではなかなか触れられません。
なので、(1)では「100万年もたっていないなんてつい最近の話だ」とわかるか、地質時代のスケール感を問い、(2)①では火山灰が時代の特定によく使われることの確認、(2)②では地層累重の法則を用いて「地層を見れば地球の過去がわかる」あたりを読み取れるか問いました。(3)は地層を作るはたらきや大地の変動についての確認です。
これらをチバニアンという具体的なフィールドに落とし込んで出題しました。
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