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0471 【物質の成り立ち4】原子・分子1 物質をつくる粒子

水の電気分解では水が水素と酸素という別の物質になりました。

1年生の時にやったように物質は粒子の集まりと考えると、「水の粒子」「水素の粒子」「酸素の粒子」はどのように表されるでしょうか。

課題:「水の粒子」「水素の粒子」「酸素の粒子」はどのように表されるか。

水は水素と酸素に分かれます。これを粒子の視点で考えると…。

考え1 水の粒子は、水素の粒子と酸素の粒子が混ざっている
考え2 水の粒子には、水素の粒子と酸素の粒子が含まれている

「考え1」は気体の水素と気体の酸素を混ぜたもの。つまりこれって、気体ですよね。液体の水ではなさそうです。

「考え2」では「含まれる」というイメージを図で書くと何通りかありそうですね。

実際はどうなんでしょう。

私たちが普段見ている物質を細かく細かく分けていくと、ついにはこれ以上分けられない粒子、これを原子(atom)といいます。
ちょうど、先ほどの図での青〇の「す」や赤丸の「さ」がうまくそれを表しているイメージです。
そうすると、さっきの考え方のモデルでもそうでしたが、原子にも種類があり、水素原子(す)と酸素原子(さ)があったわけです。

そして水素や酸素の場合、それぞれ水素原子や酸素原子が2個ずつペアになった、分子という状態で存在していることがわかっています。

「本当に分子ってあるの?」という疑惑の眼をもたれるのは大変もっともなことなのですがも、分子の存在については初めて原子という考え方を提唱したドルトンでさえ否定的な立場をとっていたくらいなので、いくつかの実験結果を重ねて丁寧に考察しないと「あ、たしかに水素や酸素は原子が2個くっついている分子だと考えられるな」と納得できません。が、そこまでやると本題からそれるので今回は省略します。ひとまずそういうものだと思ってください(中学化学ではそういうところが多い)。こうすることでいろいろな化学変化が説明できますから。

結論:「水の粒子」「水素の粒子」「酸素の粒子」はそれぞれこんな感じの原子がくっついてできた分子で表わされる。

 初めてここを学習した人には、たとえここまでの説明を完璧に理解したとしても、今一つどうしてもモヤモヤが残っているかもしれません。???の連続の人もいるでしょう。
 説明を理解して、自分の頭で咀嚼した人ほど、なんで水素分子は水素原子が2個あるの?なんで水分子は微妙に曲がっているの?もう少し原子について詳しく教えて!など、疑問が噴出するのは、ある意味当然のことです。
 というのもここまでの理科の授業はそのほとんどが観察・実験などの結果を根拠に導いてきた内容です。ところが今回は、突然考えてもわからない課題を出されて、明確な目に見える証拠もなく「すべての物質は原子でできていてね」と説明されて、有無を言わさず原子・分子の存在を受け入れるよう求められています。そりゃ、今までの理科の授業をきちんと受けてきた人ほど「ちょっと待ってよ」となるのは当然です。
 ただ、これはやむを得ないことなのかもしれません。小学校3年生から理科をそれなりの量やってきているので、中学生にもなると、いい加減、原子・分子の存在を抜きにして化学や物理領域を語るのは難しくなってきます。一方で、原子は目に見えるものではないので感覚的に受け入れがたいうえに、原子に関する中学生でも思いつく素朴な疑問を説明しようとすると、高校・大学レベルの知識がないと理解できないこともあります。
 かくして、「科学的な思考がうんぬん」とか「科学的根拠をもって」とか理科教育ではさんざん言われているのに、ここはとりあえず「そうなるんですね」と素直に受け入れるのがベストという構造になっています。もう少し話が進んでいったあとに、「あ、あのとき疑問に思った原子のことって、そういうことだったのね」と分かっていただけるようになるのだけれども、どうして塩化ナトリウムはNaClで2がつかないのに、塩化銅はCuCl2と2がつくのですか、これは覚えないといけないのですか、ときかれたら、「ごめん、3年生になったらその理由が分かるから今は覚えて」としか言いようがないですよね。3年の内容を教えると話がそれるし。

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