授業をもっと面白くする! 中学校理科の雑談ネタ40
旧ブログ 2019/06/20 更新分 重版して絶賛発売中!
明治図書から「授業をもっと面白くする! 中学校理科の雑談ネタ40」が刊行されました。
授業をするにあたり、発問や板書のような中心的なポイントではなく、どちらかといえば傍流というか脇を固める内容ということでは、前著「授業をぐ~んと面白くする 中学理科ミニネタ&コツ101」に近いものがあります。
ですがこちらは完全に雑談ネタに特化。で、各ネタは「インドゾウの体の表面積を求める公式がある?!」「電池がつくられたきっかけはカエルの脚?!」のような、「え、そうなの?」と思わせるようなタイトルで、関連する話題にも触れながら4ページ使って雑談(解説)しています。
一応は教員向けの本ではありますが、理科好きな中学生や一般の方が見ても一向にかまいません…。
ちなみに、同じシリーズの地理、歴史、公民もあります。
理科の授業をもっと面白くする!小手先のテクニック
旧ブログ 2019/12/26 更新分
都中理(東京都中学校理科教育研究会)の冬季研修会で50分ほど講師をしてきました。
タイトルは「理科の授業をもっと面白くする!小手先のテクニック」です。

「小手先のテクニック」というと、「付け焼刃」とか「本質的ではない」などと、一般的にはあまりいい印象のない言葉だと思います。夏の研修会のときにポスターセッションで出した「あまりすごくない教材シリーズ」もそうでしたが、意図的にあえて否定的な言葉を前面に出しています。堂々と否定的な言葉を出すことは珍しいですから、ここで目をを引き、さらに「小手先のテクニックということは、誰でも簡単に気軽にできる、使えるということ」と再定義してやると「あーなるほどーそう来たか」と一気にポジティブに感じますよね。謎を作って感動で落とすパターンです。

で、その、「そう来たか」と思ってしまうのは、すでに知っているものに対し、新しい視点での見方、考え方が得られたということにほかなりません。クリエイティブな方々の間での誉め言葉「その発想はなかったわ」というのと同じですね。
ちなみにここで「見方・考え方」という言葉を出しましたが、こういう指導要領のキーワードのような新しくでてきた用語を使うと一部受けします。「仕事の量を自ら調整したい」とか。この延長上で予測しているのですが、来年の春は「花見」のことを「桜を見る会」と呼ぶ人が出てくるのではないかと思います。

「そう来たか」と思われるようなやり方として「つまらな理科」「くだらな理科」というのも前面に押し出すのもアリなのかもしれません。リケジョという言葉がありますが、この言葉には、理系といえば男性が当たり前とという前提があるからこそ、珍しい存在としてもてはやしているもので、性差別を助長する、という批判もあります。
同様に「おもしろ理科」とか「理科のたのしい~」とか見かけますが、あれも見方・考え方を変えれば、理科は面白くない、楽しくないというのが暗黙の前提になっていそうです。そこで「つまらな理科」とか「くだらな理科」って発想を押し出してみると、逆にどんなものか気になってみてみたいと思いませんか?
その実践例が「ダジャレで覚える元素記号」でして、「つまらない」「くだらない」を肯定的な意味にとらえて突っ走ってみました。案外、海の家のラーメン屋のごとく、期待しないで食った割にはおいしかった的な生徒の反応がありました。

でもここまでして苦労してダジャレを考えなくても、普通に覚えたほうが早いです。たしかに。
原子の記号に慣れ親しむという意味もありますが、こうやってぐちゃぐちゃやっている方が頭の中に痕跡を残すので記憶に残りやすい、忘れにくいというご利益がありそうです。
火成岩のところで、火山岩と深成岩のどちらが斑状組織でどちらが等粒状組織かという話がありますが、あれも結晶の成因から丁寧に考えていくことが大切で、たしかに暗記よりは覚えるのに時間がかかるかもしれませんが、暗記したときのように時間がたつと「あれどっちがどっちだったっけ?」ってことにはなりにくいでしょう。
ところでこの幽霊ですが、これも意味があります。幽霊を見るとぞーっとしますね、寒いですね、寒冷ですね。(頭に付けている三角形の布をさして)はい、寒冷前線の記号です。

火山岩と深成岩のどっちが斑状組織でどちらが等粒状組織か、とか、寒冷前線と温暖前線のマークはどちらが半円でどちらが三角か、などは単なる暗記で覚えると、そのうちまたわからなくなってしまいます。そうならないようにするにはどうすればよいのでしょうか。
単子葉類と双子葉類は根・茎・葉それぞれに特徴があります。これも暗記に走るとすぐにどっちがどっちだかわからなくなりそうなところですね。これは「双子葉類は平行脈、単子葉類は網状脈」と逆にしても違和感がないからです。
そこで、こういうやり方です。(こちらを参照)
「そうしよう」…このオチがあると、「双子葉類は平行脈、単子葉類は網状脈」と逆にすると、「あれ、おかしいぞ」となります。
これでもう双子葉類の根・茎・葉がどちらか、迷うことはありませんね。

このように2つのものを違いで見分けるというのは、第1分野でもあります。現行の指導要領ではプラスチックが入りましたが、ちょうど今みたいに新しい指導要領で新しく入るところをどう教えるかというのは、注目の的になりやすく、そしてそのときは気づかないのですが、しばしばやりすぎてしまうこともございます。
PE,PET、PP、PS、PVCの5大プラスチックの性質を取り上げ、身近なプラスチックが5大プラスチックのどれか鑑定するという実践をしたのですが、今となってはちょっとやりすぎたと反省しているところです。
指導要領解説では「ポリエチレン(PE)やポリエチレンテレフタラート(PET)などを例に挙げ」と2種類+「など」レベルなのに、大々的に5大プラスチックを出してしまったというのもありますが、それ以上に、プラスチックの中での些細な違いを細かく取り上げるよりも、プラスチックの共通点、特徴をまずは取り上げるべきではなかったのでないか、そこら辺の扱いが相対的に軽かったのではないかと。
「違いがわかる男」とか言ってネスカフェゴールドブレンドを飲んで悦に入っていてはいけなかったのですね。

とはいえ共通点を生徒に問うというのは実は難しい。だからこそ目立つ違いに注目しすぎてさっきのような失敗をしてしまったわけです。
参照
共通点とは連合軍がそのライバルとどう差別化しているかなのですね。

そして分類といえば有機物と無機物の分類もあります。そのときに「人間は有機物か無機物かという」質問が生徒からされることがあります。
ここは「オーディエンス」、つまり生徒の皆さんにどう思うか聞いてきましょう。
「(手を挙げて)有機物だと思う人~」パラパラ手があがる
「無機物だと思う人~」たぶんほとんど手があがらない
「わけわかんない人~」笑いながら「それアリかよ~」といって手を挙げる人数人。
さあ正解は誰でしょう。では解説。
参照
正解したのはまさかの「わけわかんない人~」でした!
ここで力尽きましたので、この後は当時使ったスライドをどうぞ
実はこの研修会の3日前に、このブログでも隠れキャラとして登場している、ネコのミミが虹の橋を渡りました。そして冬休み初日でもあるこの26日の午前中にミミを火葬し、その足で午後の研修会会場に向かったわけです。骨になったミミとゆっくり過ごしたい、とも思いましたが、こういうことになるずっと前に研修会の話を受けたわけですし、こんな時さえも途切れない仕事が、結果的に気持ちを紛らわしてくれたのかもしれません。6年経った今でも、まるで生きているかのようにミミが大好きです。


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