旧ブログ 2012-08-16 より
東京書籍による先生のための教育資料データベース・東書Eネット。
そちらにいつの間にか掲載されていました原稿がこちら、
プラスチックを「鑑定」せよ!
ざっくりいうと、プラスチックを鑑定する探究的な活動の実践紹介です。
先日の発表された学力調査の結果から取り組みが望まれるであろう、自ら考えた仮説をもとに観察・実験の計画を立てさせる指導とやらも入っていますよと。
ただし東書Eネットは会員登録が必要です。入会金や会費は無料ですが、幼・小・中・高・大学の先生、教育委員会関係の先生、および先生を目指す学生が対象です。
13年後(2025年6月現在)の振り返り
平成20年改訂の学習指導要領では、1年生の「身の回りの物質」でプラスチックが新規で加わりました。本格実施は平成24(2012)年度でしたが、平成21(2009)年度から補助教材を使ってプラスチックについて学習をすることになったのです。
で、指導要領の改訂による新しい学習内容は、一部の人にとってはビジネスチャンスで、そこをどう教えようか、どんな教材や実験法を開発しようかとアツくなるわけです。とくに粒子を柱とする領域(ぶっちゃけ化学のことね)は生徒実験を開発したくなるわけです。
そんなわけで私も5大プラスチックを引っ張り出して生徒実験を含む授業をしたわけです。①密度や燃え方などの性質を網羅的に実験して結果を表にまとめる。②それをもとにできるだけ効率的なプラスチックの判別方法を考える。③その判別方法をもとに実際にペットボトルの透明の本体、口の白い部分、白いキャップがそれぞれどのプラスチックでできているのか「鑑定」するという授業を考え、公開研究会で授業をするわ、東書Eネットに実践事例を載せるわと精力的にメディアミックス展開したわけです。あの頃は私も若かった(遠い目)。
しかし、当時の私もその典型的な例だったのですが、研究熱心な、というか新しい実験で一山当てようという理科の先生はやっぱりどこかマニアックなところがあって、指導要領本文では
代表的なプラスチックの性質にも触れること。
とあり、解説にも
また,日常生活や社会の中で使用されている代表的なプラスチックとして,ポリエチレン(PE)やポリエチレンテレフタラート(PET)などを例に挙げ,その性質,用途などについて触れる。
とあるように「触れる」程度で十分だったのにそこまでやってしまったのです。おかげでテスト前は、5大プラスチックそれぞれの性質を網羅的に暗記しようとする生徒が出てきました。そのとき「違う、そうじゃない」とは感じましたが、自分の至らなさまでは気づきませんでした。
もちろん、「発展」という扱いで問題ありませんし、そのような授業をして批判を浴びたことはありません。
ただ、ある日気づいちゃったんですよ。仲間内での些細な相違点なんかよりも、仲間全体がもつ共通点にこそ本質が隠されているって。
確かに相違点に比べると共通点って扱いにくい。だけど本来授業で大きく扱うべきなのは共通点の方ではないか、5大プラスチックの細かい差異に重箱の隅をつつくのではなく、プラスチック全体の共通点を実感するような授業や実験をすべきじゃなかったのかと。
認めたくないものだな、自分自身の若さゆえの過ちというものを。
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