0665 【誤解のポイント】「西風」は「西へ吹く風」?
風向は風がふいてきた(風上の)方角を表します。
何の変哲もない説明(定義)で、風の向きで風向なんだから当たり前じゃん、と普通に読み流してしまいたくなります。
では、ちょっと考えてください。「風向が西の風」つまり「西風」ってどのように吹く風ですか。
【誤解のポイント】
え?「西風」って「西へ吹く風」のことでしょ?
一見正しいようにみえますが、誤解です。これのどこが誤解なのかわかりますか?
矢印の場合、たとえば↓は「下向きの矢印」、あるいは単に「下矢印」と言って、進行方向である下に注目します。また、電車やバスなどの乗り物の場合「中野行」「東葉勝田台行」と、行き先に注目しますよね。始発駅がどこであるかが注目されることは、「津軽海峡冬景色」の夜行列車をのぞけば皆無でしょう。だって乗る人にとっては行き先が重要で、その電車の始発駅は別にどこでもいい話ですから。このように、「動き」は、どこから来たかより、どこへ行くかのほうが注目されることが多いです。
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でも風については、矢印と注目の仕方が逆なのです。
【理解のポイント】
「西風」は西からやってきた風です。「風向」は風が吹いてくる方向を指すのです。
では、なぜ風の場合は、行き先に注目しないでやってきた方向に注目するのでしょうか。
風は、移動してきた空気です。ある場所に空気がやってきた。その空気は暖かかったとしましょう。そうするとどのようなことがわかるか。「あ、この空気は暖かいところから来たんだな」であって「この空気は暖かいところへ行くんだな」では決してないですよね。その空気はどこの空気か?つまり空気の“出身地”に注目していると考えればわかりやすいでしょう。「西風」は西にあった空気が運ばれてきたわけです。
「北風」と言ったら「北風と太陽」の話を思い出すまでもなく、寒い北のイメージから、冷たい風を連想しますよね。そうすれば、「北からの風」という答えは出てきやすいかと思います。最初の問題では、東風を例に聞きましたが、寒暖のイメージの違いがある北風か南風で考えると分かりやすいです。
この後、さらにややこしい話が。
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