「大気」と「空気」の違い、これはどの分野でも共通に認識できる明確な定義がないので、難しい、というか、わけわかんないです。いわゆる「諸説あり」というわけで。
ググればいろいろな説明があるのですが、最近はやりのAIなんかと同じで、もっともらしい説明があるにはあるけど、「ちがうんじゃね?」と、それが納得いくものかというのは別問題。
たとえばWikipediaの「空気」ではこんな説明をしています。
地球を覆う気体の層を「大気圏」といい、その気体そのものを日常会話や工業分野などでは「空気」、気象学など地球科学の分野では「大気」とも呼ぶ。ふつう日常会話で「空気」という場合には、人間が暮らしている中で身の回りに存在する地上の空気を指し、場合によっては飛行機が航行する高度のような上空の空気を指す。一方、地球科学においては同じものを「大気」という。なお、日本語における「空気」には、その場にいる人々の気分やその場の雰囲気という意味もある。
この説明は、その内容に同意できるか以前に、一読して意味を理解する段階でうーんというところもありますが、気象学でも「空気塊」という言い方はよく使われますし、逆に日常会話で「大気」という言葉が出てくること自体が、宇宙の話題のようなかなり科学的なトピックについて会話しているときでもないと、出てこないのではないでしょうか。
あと、こんな説明も見かけます。
地球や惑星を覆う気体を「大気」とよび、そのうち、地球の地表付近の部分を「空気」という
つまり空気は大気の一部だと。そうですかねぇ(違和感)
ちょっと整理してみます。
「大気」は使うけど「空気」は使わない
・大気圏
・大気の状態が不安定
・大気圧
・大気汚染
「空気」は使うけど「大気」は使わない。
・圧縮空気
・空気ボンベ
・空気抵抗
「大気」「空気」どっちも使えるケース
・大気の成分/空気の成分
こうしてみると、惑星の表面や地球上の特定の地域のような場所を限定している場合「大気」、どこにあるかを意識しない、それのある場所を切り離して純粋に物質として扱う場合は「空気」なのかな、という感じがします。
ただ、「山の上は空気が薄い」というような場所を限定している「空気」もあり、もう少し検討が必要です。
そもそも小学生レベルだと「空気」だけで、「大気」という言葉は学習しないんじゃないかな、と思いますが。
天気予報でも(あるいは専門でも)「上空に湿った空気が流れ込み」という言い方はします。むしろ「湿った大気」という言い方は、間違いだとまでは言い切れませんが、かなり違和感はあります。
…と思ったら気象庁主任予報官も経験された気象キャスターの倉嶋厚先生が使っていました。精進します。(権威に弱い)
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