雲の次は雨だ!
雲は空に漂う水滴だといっても、積乱雲や乱層雲のように雨を降らす雲と、積雲や巻雲のように雨が降らない雲があります。
雨はどうやって降るのでしょうか。
前回は、空気が上昇することにより気温が下がり露点に達すると、水蒸気が液体の水になり、雲となる、ということを学習しました。
高いところの方が温度が低いので、ある高さで露点に達し、雲ができ始めます。その時の高さは雲の底の部分(雲底)にあたるわけですが、さらに高いところではどうなっているでしょう。
さらに高いところでは、温度は露点よりさらに低くなるので、発生する水滴の量が多くなります。
でもあんまり温度が低くなり、0℃を下回っていくと「水滴」ではなく、氷の結晶ができるようになります。(過冷却という現象があり、ぴったし0℃で急に氷の結晶ができるわけではなく、少なくとも-4℃くらいまでは冷える必要があります)
で、この氷の結晶が周りの水蒸気を取り込んだり、氷の結晶同士、あるいは氷の結晶と水滴がくっついたりして成長していきます。
成長するということは重くなるということで、そのうち、雲の上昇気流では支えきれなくなり、落下してしまいます。
これが氷のまま融けなければ雪ですが、途中で融けると雨になります。
これが日本など中緯度のところで起きる雨や雪の仕組みです。
このような雨を「冷たい雨」といいます。
「冷たい雨」があるなら「暖かい雨」もありそうですね。暖かい、というくらいですから、熱帯地方で見られます。
暖かい雨とは、一言でいうと、「氷の結晶にならないで、水滴のまま降る雨」です。
雲の中がどこも0℃以上なので、液体の水滴どうしがぶつかって成長し、上昇気流では支えきれなくなり、落下する雨です。
ところで、雲の実験では線香の煙を使いました。線香の煙は水滴を吸収しやすいので、ないときに比べて雲ができやすいのです。
この線香の煙の役割をするものを凝結核といい、海の塩に含まれる塩化ナトリウムNaClなどが例として挙げられます。
暖かい雨の中には、水蒸気を吸収しまくる凝結核の特徴により、支えきれない大きさまでに成長することもあります。
中学校理科の教科書では、冷たい雨をベースに、水滴が成長して落ちる暖かい雨とも読み取れる内容をミックスして説明しているものが多いようですね。
冷たい雨、暖かい雨については気象予報士試験の学科でも出題されたことがあるので、気象予報士試験対策のサイトなどでも詳しく説明されています。
たとえば、色と形で気象予報士!のサイトは冷たい雨・暖かい雨以外の項目についてもわかりやすい図解で説明されており、おすすめです!
暖かい雨の全体像(降水過程2) 色と形で気象予報士!
冷たい雨の全体像(降水過程3) 色と形で気象予報士!
また、テンコロ.の気象予報士講座の冷たい雨【気象予報士試験用語チェック】では、冷たい雨の成長の過程を氷と水の飽和水蒸気圧の違いから説明がされて、なるほど感あふれています。
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