前回は、磁石による磁界についてみてみました。
今回は、電流が流れることによってできる磁界を見てみましょう。
小学校で電磁石、すなわち電流を流すと鉄のクリップなどがくっつく現象をみましたね。あれから、電流が流れるとどうやら磁界が生じているらしいということがわかります。
それはエルステッドの実験でも容易に確かめられます。
直線電流の周りの磁界(2013-02-23)
直線に流れる電流の周りでは円を描くように磁界が発生します。その磁界の向き(青)は電流の向き(赤)とこのような関係になっています。
このブログでは、電流の向きを赤、磁界の向きを青で示します。
ちなみに黒板では、電流の向きを黄色、磁界の向きを赤のチョークで統一して示しています。
それは右手を「いいね!」したときの親指と人差し指の指先への向きの関係、右ねじを回したむきと進む向きの関係と同じです。この関係を「右ねじの法則」といいます。
で、これを模型にしたものは以前に作成しました。
コイルの周りの磁界(2013-03-18)
さらに、コイルの周りに電流を流してみます。
斜めから見た実験装置の図
そこに砂鉄をまいたり方位磁針を置くと、こうなります。
これを細長いコイルで考えてみましょう。
わかりやすいように、筒に導線が巻いてあるケースで考えてみます。
このコイルを断面で切ると、導線を流れる電流は、上に並んだ導線は手前へ流れる向き、下に並んだ導線は奥へ流れる向きになる。
すると、それぞれの導線からの磁力線は青い矢印で表されるが、図の水色の部分は、向きの違う磁力線が並んだので、磁界は弱めあう。ピンクの部分は、同じ向きの磁力線が並んでいるので強めあう。
結局磁力線はこういうことになります。
これって、右がN極、左がS極の棒磁石の磁力線と同じですね。
これは、右手の人差し指以下をコイルを流れる電流の向き、親指を磁界の向き(磁力線の向き)と考えると、ぴったり合います。これもまた、右ねじの法則です。
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