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0097 【物質のすがた11】気体の発生と性質(2) 水素

水素
CAS No.1333-74-0   H2   2.016
 亜鉛塩酸を加えると、水素が発生します。

 水素は無色無臭、水にはとけにくい気体です。
 また、最も密度が小さい物質であり、空気の約14分の1程度です。
 空気より密度が小さいということは、風船なんかに入れると空気中で浮くということですから(何日かたつと風船の間から水素が抜けていってしまいますが)、かつては飛行船に使われていました。
 が、歴史的にも有名な大事故が起こってしまいます
 水素は、極めて可燃性・引火性の高い気体なのですね。ちょっと実験してみましょう。

 ポン!と小気味の良い音がしました。このとき水素が燃えたのです。
 ここで、試験管は乾いたものを使っていたのですが、ポンと音がした後に水滴がついていました。つまり、水ができたのです。ちなみに、同じ試験管で何回か実験を繰り返した後に気が付いたのですが、水滴がきれいな模様になっていました。

 この「マッチでポン!」は、理科の実験で水素を確かめる方法として使われます。

 ちなみに、火のついた線香を入れると、意外なことにポンと音を立てることもなければ、炎を上げて燃えることもなく、ただ消えてしまいます。たばこの火では意外にガソリンに火がつかないみたいなことでしょうか。

 それから、水素でポン!としたときの試験管の口附近のマッチの様子をスローでとらえたのがこちらです。

 試験管の中に炎が吸い込まれるのかなと思いきや、突然、試験管の口から強い風が流れて、マッチの火が吹き消されてしまいました。
試験管の中に炎が吸い込まれるのかなと思いきや、突然、試験管の口から強い風が流れて、マッチの火が吹き消されてしまいました。

 このポン!の大規模なものが先ほどのヒンデンブルク号の大爆発です。これ以降、飛行船に水素は危なくて使えませんから、水素の次に密度が小さく、絶対に燃えないヘリウムが使われるようになるのでした。

 とはいえ、それでも水素による事故は後を絶ちません。ご安全に。

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