塩酸 HCl CAS.No 7647-01-0
「塩酸」という物質があるのではなく、塩化水素という気体の水溶液です。ちなみに案外安い。500mLが1000円以下で買えてしまうことも。
上の写真のように試薬で売られているのは濃塩酸。濃度は35.0~37.0% モル濃度に直すと 12 mol/L 。
そして、塩酸といえば、なんといっても無機酸の代表選手、強酸の一つということでしょう。
濃度 1mol/Lで pH0 です。ということは、濃塩酸のような 12mol/L ということは pH -1 を超えるレベルです。pHは0から14までと思っている人がたまによくいるのですが、そんな人に見せてあげたい。
酸性で黄色と習ったはずのBTB溶液を赤くするし
それから、25%以上の濃度のものは発煙性(塩化水素ガス)があります。塩化水素が水分を吸収して白煙を発生させるので、特に湿った空気中で著しく発煙します。
ちなみに、アンモニア水の上に、濃塩酸をつけたガラス棒を近づけると、塩化アンモニウムの白煙を発生します。
他にも、いろいろ危険有害性のポイントがあります。
ところで、TGコーポレーション、要薬品株式会社、東亞合成と、いくつかの試薬会社のカタログから塩酸と別に「白塩酸」と書かれていました。
「白塩酸」って何だろう。ふつうの塩酸と違うのか?と調べてみたら、
工業用として市販のものは30~38%でやや黄色に着色され、白塩酸と称するものは35%~38%で無色、純塩酸は38%以上で無色です。
という記述を発見。
さらに塩酸の色について、純粋なものは無色だが、工業用塩酸は塩化鉄などの不純物を含むため黄色くなっているという複数の情報筋が。ということは「白塩酸」とは不純物のない無色の塩酸のことなんだろうと結論。
事故事例 病院で塩酸50kg入り容器が爆発―吹き出す白煙、立ち込める刺激臭=湖北・天門市
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