1910【理科教育法Ⅰ】第5回の復習・発展学習のご案内

生命を柱とする領域

 前指導要領では、1年植物、2年動物という感じだったのですが、今回1年外部形態、2年内面という感じに整理されました。でも今回の改訂の目玉はそこではなく、1年で「分類」を前面に取り上げたということです。それも既定の分類体系に従って、特定の生物がどのカテゴリーに入るか考える「分類作業」だけでなく、生物の特徴から共通点や相違点を見出して、区分し体系化していく(「区分」とか「体系化」という分類の専門用語は出てきませんが)を行うというところが革新的です。
 が、私より生物に詳しい先生が、「学術的な分類とは別に、このような分類を生徒にさせるする意義がわからない」とボヤいてたりして、なかなか難しいものがありそうです。

分類については「君たちはどう分けるか」シリーズを見てみるといい鴨。
(1)違い (2)分類の4段階 (3)分類表の三つの要素 (4) 比較と分類の比較 (5) 観点と基準

染色体は細胞の中にある「物体」、DNAはでデオキシリボ核酸という「物質」。じゃあ遺伝子は?

染色体ファイル
「遺伝子」とかいうズンドコベロンチョ
【遺伝の規則性と遺伝子4】DNA
DNAの知名度は異常

双子葉植物は合弁花と離弁花に分類されるけど、単子葉植物は分類しなくていいの?

植物の分類に関する質問集

先生、「ギンナンはイチョウの実」ってテレビで言ってました!

【問題】ギンナンはイチョウの実?

指導のポイント

 科学は進歩しています。新たな発見や、定義の変更、学術用語の変更などが中学校の理科の授業にも影響することがあります。そうすると指導要領が改訂されなくても、教科書が改訂された時にそのあたりがシレッと修正されていることがあります。
 冥王星が太陽系の「惑星」でなくなったというのは、ニュースにもなって、理科の先生だったらふつうどこかの段階で情報が入るでしょうが、リットルの表記がいつのまにかℓから大文字のLになっていたりするのは、なかなか気がつかず「あれいつの間に」ということになりがちです。
 困ったことに、こういうマイナーな変更の情報は、現場の先生まで届かないことがあり、たとえば、「脂肪は脂肪酸とグリセリンに分解され…」と授業で解説したら、生徒に「先生、教科書にモノグリセリドと書いてるんですけど」とつっこまれ、先生「?!」となったケースもあるのではないかと思っています。
 また、今後もこのようなケースは起きるでしょう。これらの変更の情報は、教科書会社から届く教科の小冊子に解説が載っていることが多いので、しっかり読んでおくようにしましょう。

ソウ類(ワカメなど)は植物ではない
「花びら」使わず「花弁」で統一
脂肪は小腸で脂肪酸とモノグリセリド(グリセリンではない)に分解される
「生産者」「消費者」「分解者」の定義が変わった
「優性」「劣性」が「顕性」「潜性」へ

探究の過程

 今どきの理科教育で「探究の過程」と言いますと、「中学校」学習指導要領解説理科編の9ページの「あの図」がよく使われます。中学校の解説なのに「高等学校基礎科目の例」を引っ張ってくるところに舞台裏というか関係者の隠れたメッセージを邪推したいところが多々ありますが、それはさておき。

 実験結果の考察、というのは結局、スタートが「実験結果」、ゴールが「結論(課題に対する答え)」なわけです。それさえ押さえておけば、その間を結ぶのが考察ですから、案外、考察に個人差は出にくいものです。正しく考察ができていれば。

 しかしやっかいなのが課題設定までの段階。導入としてよく自然の事物・現象を見せてそこから問題を見いだし、課題を設定するわけですが、これがなかなか大変。
 輪切りにしたキウイフルーツの上に,細長いゼリーを置いてしばらく時間をおいたところ、なんかゼリーが崩れちゃった。これをみて「それがどうした」という生徒もいるだろうし、「ゼリーがとけた」までで終わる生徒がほとんどて、よっぽどこの事象に対してインパクトを感じてないと「皮に近い部分」,「種子の多い部分」,「中心部分」でゼリーの崩れ方に違いが見られるところまで気づくほど観察しないでしょう。あの問題の菜月さんは結構お目が高いといえます。

 これは考察と違って、事象の提示というスタートは示されても、ゴールや方向性は特に示されないので、先生が期待していた意見が出ないどころか、あちこちに拡散して収拾がつかなくなる危険性があります。しかも事象に対して生徒が魅力を感じなければ(それも多々あります)意見自体が出にくいでしょう。知らない場所の地質図見せられて、これをみて気づいたことをもとに課題を設定しましょう、といわれてもそりゃ生徒は困るだろうと。

 なので課題設定についてどうするかは今結構理科教育の中ではホットな話題です。先日もある先生方の勉強会に行ったら課題設定に関する実践報告がやたら多かったです。ま、私もその一人でしたが…。

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