2064 ニュースとつながる理科のツボ 2013/3

パンスターズ彗星→すい星(2013-03-04)

今日の「ニュースとつながる理科のツボ」のテーマは、いよいよ見頃になるパンスターズ彗星。天文ファンの皆様、お待たせしました、って感じですね。

ちなみに、この連載で過去の地学ネタは
【ニュース理科04】金環日食→日食・太陽の観察
【ニュース理科05】部分月食 →月の満ち欠け・月食
【ニュース理科12】台風→台風
【ニュース理科16】地震予知→地震のおこるしくみ
【ニュース理科17】月の衝突跡→鉱物・火成岩
と5本あり、今回入れると6本目なのですが、うち3本は天体となります。ちょっとバランス悪い気が。
4本(2か月)ごとに物理・化学・生物・地学が1本ずつ入るようにはしたのですが、各分野の中での単元バランスはあんまり気にしてなかったなと。

で、彗星についてなのですが、ちょうど小惑星接近のニュースもあったので、ついでに話題にしたのですが、意外にこれがやっかいなことに…。

この流れだと小惑星の説明、特に彗星との違いの話が当然出てくるのですが、これが曲者。

小惑星をきちんと説明しようとすると意外に難しいのです。
というのも小惑星の定義(彗星もですが)がきちんとされていないのです。

「コマ」や「尾」がある→彗星
「コマ」や「尾」がない→小惑星

というイメージはあるものの、同時に

極端なだ円や放物線などの軌道を描く→彗星
ふつうは火星と木星の間の小惑星帯にある→小惑星

という特徴もあるのです。ところが、

彗星らしい軌道を通るコマや尾をもたない天体や、小惑星帯にあるコマや尾をもつ天体(メインベルト彗星)など、いろいろ分類に悩むケースが出てきているのです。

そうなると「彗星は尾をもたない」と言い切っていいのかというのも、一瞬悩みましたが、JAXAのサイトで小惑星を「尾を持たない、つまり彗星以外の小天体です。」といっているのでセーフとしました。万一、つっこまれたら「だって、JAXAが言ってるんだもん」と権威をふりかざそうと。
そういうこともあって、今回の参考リンクは多めです。

さて、次回3/17で今年度の連載は終わり。次回は大騒ぎになったあのニュースを題材に、化学→生物→地学ときたので、物理に結び付けていきたいと思います。

パンスターズ彗星
惑星と小惑星と彗星
小惑星?彗星? どっちつかずの奇妙な天体
彗星の核
第一報告:国際天文学連合における惑星の定義及び関連事項の取扱いについて
第二報告:新しい太陽系像について -明らかになってきた太陽系の姿-
小惑星とはどのような星ですか?
彗星にはどうして尾があるのですか?
彗星はどこから来るのですか?
彗星・彗星の見え方│宇宙ワクワク大図鑑│宇宙科学研究所キッズサイト「ウチューンズ」
小天体と隕石・太陽系の小さな仲間│宇宙ワクワク大図鑑│宇宙科学研究所キッズサイト「ウチューンズ」

ロシアの隕石落下→物体のもつエネルギー(2013-03-17)

いよいよ今年度の「ニュースとつながる理科のツボ」も最終回。連載は来年度も続くとはいえ、月2回から1回に減るので、ちょっと楽になる気持ちとちょっとさびしい気持ちが。

さて、今回のテーマは「ロシアの隕石落下」。科学ニュースとしてこれにふれないわけにはいかないでしょう。とはいえ、前回が「地球と宇宙」の単元だったし、ローテーションから言って物理をやりたい。ということで、隕石のエネルギーから「物体の持つエネルギー」の学習をします。

今回は本文にふさわしい図をどうするかが課題。隕石の写真があればいいなと(自分はもっていないので、また新聞社のデータベースだよりなのですが)。さらに文章量の問題も。特に確認問題は、この内容だと衝突ネタがいいのですが、説明を書いていると文章が長くがちなところが苦しいところです。

【ボツになった導入文(の一部)】
今回の隕石落下以外でも、アメリカのアリゾナ州には今から約5万年前に地球に衝突した隕石によって形成された直径約1.2 – 1.5キロメートル、深さ約170メートルという巨大なバリンジャー・クレーターがありますし、恐竜が絶滅したのは、隕石が地球に衝突したのが原因だという説もあります。

【ボツになった確認問題】
 図のように,ある小球をP点で静かに離したところ,小球はレール上を下っていき、Q点を通過した後木片に衝突し,木片と一緒に動いてR点で止まった。このときP点、Q点,R点での小球の力学的エネルギーの量をそれぞれp,q,rとする。次のア~エのうち、p,q,rの関係を表す式としてへ最も適当なものはどれか。 (11年香川)

 ア p=q=r   イ p>q>r
 ウ p=q>r   エ p<q<r
【解説・解答】
 Pでもっていた位置エネルギーがQでは運動エネルギーに変わったため、PとQでは位置エネルギーと運動エネルギーの和である力学的エネルギーはp=qで等しい。
 しかし、QとRでは位置エネルギーは同じであるが、運動エネルギーについては、小球はQでは動いているがRではとまっているため、Qの方が大きい。したがって力学的エネルギーもq>rである。

ロシアの隕石の大気突入速度は、秒速30km?広島型原爆の20倍近いエネルギーの衝撃波とNASAの見積

(没テーマ)
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