観察記録としてのスケッチ(『理科の教育』2016年9月号)
『理科の教育』の連載講座「中学校理科教師のためのチェックリスト」
前回(2016年4月号)のテーマはデジタル顕微鏡でしたが、今回も生物領域でよく使われる技能である「スケッチ」を取り上げます。
とはいえ、スケッチそのものの話よりも下調べに扱ったのが牧野富太郎ネタ。もともとは
1.スケッチなどを指導するとき、生徒から「色をつけていいですか」という質問がたまにある。
2.スケッチの「正確に描く」という考え方からすると、色を正確に再現できない以上、つけるべきではないだろうと私は考える。
3.ちなみに教科書では触れていない。賛成という考え方もあってダメとは書けない事情があるのか。
4.そういえば牧野富太郎の植物画にはカラーのものがあった。
5.したがってスケッチに色をつけることを否定するのは、牧野富太郎を否定することになるw
6.やばい。
7.いや待てよ、牧野富太郎だって、2.のような考えは検討したはずだ。
8.牧野富太郎のカラーの植物画には自分の知らない何かが隠されているはずだ
9.ということで調べてみよう。
そして練馬区立牧野記念庭園記念館に足を運び、
高知県立牧野植物園編集「牧野富太郎植物画集」高知県牧野植物友の会,1992、
高知新聞社編「MAKINO―牧野富太郎生誕150年記念出版―」北隆館,2014
をはじめとする牧野本をいろいろ読んでみました。
俵 浩三「牧野植物図鑑の謎」平凡社、1999も面白いのだけれども、あくまで仮説にすぎないので、参考資料としては使えなかったです…。
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牧野植物図鑑の謎 ――在野の天才と知られざる競争相手 (ちくま文庫) 新品価格 |
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それと葉の形や葉脈の形を記録する方法として、フロッタージュに触れようかと思ったのですが、牧野富太郎話に熱が入りすぎて紙面がつきたのと、スケッチを「よく見るため」と考えると、このやり方は邪道かな…と思ってしまったので触れないことにしました。
ところで、牧野富太郎は1957年没なので、もう50年を超えて著作権は切れています。そこで原稿に植物画を入れてみました。どの植物にしようか迷ったあげく、『植物知識』に載っているヒマワリにしました。
そうしたら、表紙の写真もヒマワリでちょっとびっくりでした。
恒例、今月のチェックリスト。
□スケッチをする意義を説明することができる。
□スケッチの基本的な描き方を指導している。
□その都度、スケッチの指導を行っている。
Check It Out!
生物学実験/スケッチの描き方
生物の形態や構造の観察力「観る力」を育てる研究-身近な生物のスケッチを通じて-
西川悠子:観察時における学習効果を上げるためのスケッチの研究
勝岡幸雄:観察眼育成を目指した点描写によるスケッチ活動の実践:研究紀要/東京学芸大学附属竹早中学校:2011
内山裕之編著「スケッチで実験・観察生物の描き方とコツ」星の環会、2014
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継続的な観察や季節を変えての定点観測(『理科の教育』2017年3月号)
『理科の教育』の連載講座「中学校理科教師のためのチェックリスト」
前回は2016年9月号で「スケッチ」を取り上げましたが、今回は学習指導要領で「指導計画の作成にあたって配慮する事項」の一つにある、継続的な観察や季節を変えての定点観測についてです。
その具体例は本文では挙げず、写真とキャプションで無脊椎動物(サカマキガイとヒラマキガイ)の飼育とか、気象観測とか、ウニの発生とか、夏至と冬至の太陽の1日の動きについてとりあげました。
恒例、今月のチェックリスト。
□継続的な観察や季節を変えての定点観測を年間の指導計画に位置付けている。
□事前に興味・関心を喚起させ、観察方法を習熟させている。
□観察ができなかった場合の対応策も考えている。






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