1917【理科教育法Ⅰ】第6回の復習・発展学習のご案内

生命を柱とする領域

 前指導要領では、1年植物、2年動物という感じだったのですが、今回1年外部形態、2年内面という感じに整理されました。でも今回の改訂の目玉はそこではなく、1年で「分類」を前面に取り上げたということです。それも既定の分類体系に従って、特定の生物がどのカテゴリーに入るか考える「分類作業」だけでなく、生物の特徴から共通点や相違点を見出して、区分し体系化していく(「区分」とか「体系化」という分類の専門用語は出てきませんが)を行うというところが革新的です。
 が、私より生物に詳しい先生が、「学術的な分類とは別に、このような分類を生徒にさせるする意義がわからない」とボヤいてたりして、なかなか難しいものがありそうです。

分類については「君たちはどう分けるか」シリーズを見てみるといい鴨。
(1)違い (2)分類の4段階 (3)分類表の三つの要素 (4) 比較と分類の比較 (5) 観点と基準

指導のポイント

 科学は進歩しています。新たな発見や、定義の変更、学術用語の変更などが中学校の理科の授業にも影響することがあります。そうすると指導要領が改訂されなくても、教科書が改訂された時にそのあたりがシレッと修正されていることがあります。
 冥王星が太陽系の「惑星」でなくなったというのは、ニュースにもなって、理科の先生だったらふつうどこかの段階で情報が入るでしょうが、リットルの表記がいつのまにかℓから大文字のLになっていたりするのは、なかなか気がつかず「あれいつの間に」ということになりがちです。
 困ったことに、こういうマイナーな変更の情報は、現場の先生まで届かないことがあり、たとえば、「脂肪は脂肪酸とグリセリンに分解され…」と授業で解説したら、生徒に「先生、教科書にモノグリセリドと書いてるんですけど」とつっこまれ、先生「?!」となったケースもあるのではないかと思っています。
 また、今後もこのようなケースは起きるでしょう。これらの変更の情報は、教科書会社から届く教科の小冊子に解説が載っていることが多いので、しっかり読んでおくようにしましょう。

ソウ類(ワカメなど)は植物ではない
「花びら」使わず「花弁」で統一
脂肪は小腸で脂肪酸とモノグリセリド(グリセリンではない)に分解される
「生産者」「消費者」「分解者」の定義が変わった
「優性」「劣性」が「顕性」「潜性」へ

理科の授業と評価

 評価については、評価→成績→内申→進路 という、本来の「学習評価」の役割とは別の重~い意味を持たせてしまっているので、理想と現実というか、本音と建前というか、ちょっと(どころではないかもしれませんが)困ったことになっています。特に3年の担任になると思うところと言えない話がゴロゴロ出てくるのですが、残念ながらそれは「理科教育法」の範疇ではないということで置いといて、ここでは本来の学習評価についてみていきました。

授業でもベースにしました
学習評価の在り方ハンドブック
「指導と評価の一体化」のための学習評価に関する参考資料(中学校理科)
かな。

その他、自己評価、相互評価、ルーブリック、SP表あたりもおさえておきたいところです。SP表は理科教育法Ⅲで扱おうと思いますが、Ⅲまで必要ない(でも教職を目指す)人は、リンク先を読んでおくといいでしょう。

 ところで、第1回目の講義前にやった
「理科教育」という言葉を使って、文を3つ以上書いてください。
という課題。あれ、なんだったんでしょうか。
 とりあえず、あの時にかいたことは気にしないで、今、もう一度「理科教育」という言葉を使って、文を3つ以上書いてもらえますか。そして、以前書いたものと比較してみましょう。きっと、より深まった文が書けているのではないかと思います。
 つまり、それが、(おそらくは理科教育法Ⅰを受講したことによる)あなたの「変容」であり、それを見比べて思ったことが、「自己評価」というわけです。ぜひ、ご自分の成長を感じ取ってください。それができるようにあの時、文を3つ書いたわけですから。

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